COMPUTEXが終われば、もうすぐ夏だ。HaswellやRichlandなどの新CPUを買って、冷却をどうしようか考えている人もいるだろう。本記事では、CPUクーラーを中心に、注目の冷却関連パーツをいくつかピックアップしてみる。

再びベイパーチャンバー!

Cooler Masterは、新型の水冷CPUクーラーとして「Eisberg」を出展していた。同社の水冷CPUクーラーとしては、すでに「Seidon」があるが、これとの大きな違いはDIYタイプであることだ。

Cooler MasterからDIYタイプの水冷CPUクーラー「Eisberg」が登場

ポンプ一体型の水冷ヘッドがかなり大きいのが特徴だ

近年流行なのは、いわゆる簡易水冷、つまり水冷ヘッドとラジエータがあらかじめ接続されており、メンテナンスが不要なタイプだ。これは空冷クーラーと同じような簡易さで使えるメリットがあるものの、冷却水の交換や補充は基本的にできない。またラジエータを追加することも不可能だ。

一方、DIY型はそれとは逆で、多少の手間はかかるものの、アップグレードが可能というメリットがある。簡易水冷を試した後、次はDIY型で本格的に水冷を楽しむのもいいだろう。

Eisbergは、ポンプ内蔵の水冷ヘッドと、24cmサイズの大型ラジエータの組合せ。非常に強力なポンプを内蔵したほか、ラジエータの材質はアルミではなく、銅を採用した。ちなみに"Eisberg"というのは、ドイツ語で"氷山"のことだが、このポンプはドイツでデザインしたものだという。

日本でもまもなく発売予定。ラジエータは、24cmサイズのほか、12cmサイズもラインナップするそうで、参考価格はそれぞれ、200ドル程度、180ドル程度となる。

また同じく水冷CPUクーラーとして「Nepton」も登場。こちらは14cmファンを採用し、ラジエータが28cmサイズ/14cmサイズに大型化されたものになる。

14cmファンを採用する「Nepton」(右)。Seidon(左)に比べると大きい

また同社の空冷CPUクーラーとして注目なのが「V8 GTS」。ヒートシンク-ファン-ヒートシンク-ファン-ヒートシンクという5層のサンドイッチ構造を採用した大型CPUクーラーなのだが、筆者が注目したいのは、CPUと接触するベース部に一般的な銅ではなく、ベイパーチャンバーを採用したことだ。

いつもながら自動車のエンジンをイメージしたという「V8 GTS」

CPUからヒートパイプに熱を伝える重要な部分にベイパーチャンバーを採用

ベイパーチャンバー搭載クーラーとしては、すでに同社から「TPC 812」が発売されているが、このモデルではベース部からフィンへ熱を逃がす部分に採用されており、ヒートパイプの補助として使われているだけだった。V8 GTSは、初めて本格的にベイパーチャンバーを採用するCPUクーラーと言えるかもしれない。

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