富士通が6月5日に発表した2013年夏モデルPCの1つに、「KATANA(刀)」をモチーフにした14型Ultrabook「LIFEBOOK UH90/L」(以下、UH90/L)がある。コンセプトとデザインもさることながら、3,200×1,800ドットという高解像度の液晶ディスプレイ、しかもシャープ製のIGZO液晶という点が目を引く。ファーストレビューとして、まずは本体まわりの写真をお届けしよう。

今回の写真はサテンレッドモデルの試作機を用いているため、製品版とは細部が異なる。具体的には、キーボードカバー側面、電源ボタン、その他ボタン周り、ヒンジカバーとタッチパネル間の色、LEDランプなどだが、全体の雰囲気は伝わると思う。以下の写真は、サムネイルをクリックすると拡大表示される。

LIFEBOOK UH90/L」(サテンレッドモデル)

UH90/Lのコンセプト「KATANA(刀)」は、「日本が誇る"機能"と"美しさ"を備えた孤高の存在」。より細かく言うと、日本製、限界まで薄く、剛(つよ)く、肌身離さず、美しい(かっこいい)を表現している。

CPUは第4世代Intel Coreプロセッサ(開発コードネーム「Haswell」)のIntel Core i5-4200U(1.6GHz)、チップセットはMobile Intel HM86 Express、メモリはPC3-12800 4GB、ストレージはキャッシュ用NANDフラッシュ搭載のハイブリッドHDD(500GB)、グラフィックスはIntel HD Graphics 4400(CPU内蔵)だ。直販サイト「WEB MART」のカスタムメイドモデル「LIFEBOOK WU1/L」では、ストレージに128GB/256GB SSDも選べる。そのほかの概要は別記事『富士通、3,200×1,800ドットIGZO液晶のタッチ対応14型Ultrabook「刀」』を参照いただきたい。

液晶ディスプレイは180度までは開かないが、これだけの角度範囲があれば十分だろう

前面

背面

左側面。電源コネクタ、排気口、USB 3.0、マイク/ヘッドホン共用ポート

右側面。SD/SDHC/SDXCスロット、USB 3.0、HDMI出力、Gigabit Ethernet対応有線LAN

左側面

前面/天板の右側

右側面

有線LANポートは収納/引き出し式。内蔵の無線LANはIEEE802.11a/b/g/n準拠

キーボードはスタンダードな配置の日本語86キー。キーピッチは横が約19mm、縦が約18mm、ストロークは1mmだ。この手のUltrabook/ノートPCとしては、右下のカーソルキーがやや大きめなのは使いやすそうなところ。タッチパッドはボタン一体型で、面積が広い

指紋認証

スピーカー部

底面にはファンの吸気口

液晶上部の約100万画素Webカメラ(写真左)。写真では分かりにくいが、3,200×1,800ドットの解像度はかなり強烈な印象(写真中央/右)。製品は標準で「144%」のスケーリングとなり、用途に合わせてスケーリングするユーティリティが付属する予定

以下は、プレス向けの内覧会で展示されていた実機。製品同等版のスパークリングブラックモデルだ。

100%表示の3,200×1,800ドット。右上のアイコンや、「マイコンピューター」ウィンドウ内のアイコンで、高解像度・高密度が伝わるだろうか


薄さと堅牢性を両立した「超圧縮ソリッドコア」構造

「超圧縮ソリッドコア」構造概要

UH90/Lのボディには、「超圧縮ソリッドコア」構造が用いられている。主に3つの要素からなり、マグネシウム合金、ねじれ防止構造、板厚変化工法と基板の片面実装だ。

ねじれ防止構造は、お弁当箱を想像すると分かりやすい。ボディ底面の上から、キーボード面で「フタ」をするようなイメージだ。側面の継ぎ目をなくし、ねじれに強い構造を作りだしている。

板厚変化工法と基板の片面実装は、内部の電子パーツとボディのすき間を「コンマ数mm」まで小さくすることで、強度を高める仕組みだ。基板に実装した電子パーツの凹凸に合わせて、ボディ側の金属を削り出す。基板とボディが、ブロックのようにピタッと重なっている。富士通の天板前面加圧試験によると、約200kgfの重みにも耐えられるという。これは満員電車で押し合いへし合いになっても、安心していられる強度とのことだ。

実物を用いた展示

ねじれ防止構造

板厚変化工法と基板の片面実装