「優れたファームウェアを開発することで、他社製品を凌ぐSSDを提供します」

「M5 Pro」を手にするCharlie Tsengゼネラルマネージャー

MN:現在、PLEXTORでは、一般的な2.5型SSDのほかに、mSATA SSDもラインアップしていますね。mSATAの需要はどうなるとみていますか。

Tseng氏:2.5型SSDとmSATAでは、需要層が異なるとみています。一般ユーザーは、ハードディスクからの換装のしやすさといった点で、やはり2.5型SSDが主流になるといえます。一方で、mSATAは、OEMベンダーからの引き合いが増えています。ここにきて、Ultrabookの需要が高まるなど、薄くて、軽いという観点から、mSATAを利用するといった動きがでています。今後は、NGFFなどの新規格にも注目が集まる可能性がありますね。

MN:今後、PLEXTORのSSD戦略はどうなっていくのでしょうか。

Tseng氏:顧客のニーズの多様化にあわせて、製品を提供していくことになります。これまで主力としている一般PCユーザー向けのデスクトップPCおよびノートPC向けの製品展開だけでなく、法人ユーザー向けのサーバーや、クラウド、ビッグデータのニーズに対応したSSDも提供していくことになります。さらに、タブレットやスマートフォンといったモバイルデバイスに向けた製品も投入していく予定です。ユニークなところでは、車載向けSSDといった分野にも踏み出していきたいと考えています。車載向けは、今年の第3四半期から量産する計画です。

MN:改めて、なにがPLEXTORの強みであるか、ということについてお伺いしたいのですが。

Tseng氏:当社がSSD事業に参入する際に、ユーザーは、SSDになにを求めているのかといったことを徹底して調べました。そこで、我々がたどり着いたひとつの結論が、「品質」と「性能」を重視するということでした。品質と性能において、完璧といえるものを製品化することを目指したのがPLEXTORのSSDの基本姿勢です。SSDを構成するのは、NANDフラッシュとコントローラ、ファームウェアの3つです。このなかで、とくに強調しておきたいのが、当社は、優れたファームウェアを持っているという点です。SSDを人間の体に例えると、コントローラは脳、NANDフラッシュは身体や神経。そしてファームウェアは脳と、身体や神経をつないでコントロールする役目を担います。脳があっても、アイデアがないと機能を最大限に発揮できない。マラソン選手は、優れた体力だけでは42.195kmのレースには勝てません。優秀なマラソン選手は、レースを走るための戦略に長けています。つまり、身体という機能を最大限に発揮するために、脳を使って、それをうまくコントロールしている。SSDにおいても、その能力を最大限に発揮するためにはファームウェアが非常に重要な役割を果たすわけです。

MN:ファームウェアの開発にはどれぐらいの投資をしているのですか。

Tseng氏:当社の開発チームは、100人体制となっていますが、今後、新たな製品を開発するため、今年中に250人体制にまで拡大する計画です。そのなかにファームウェアの開発陣がいます。ファームウェアは、NANDフラッシュの効果を最大限に発揮させるための機能とともに、品質と信頼性を高めるといったことにも効果があります。例えば、機能面では、ランダムリード速度で100K IOPSを達成しているのは、他社にはないものだといえますし、信頼性という点でも、当社が他社に先駆けて、2010年から5年間の保証期間しています。こうしたところにも、当社ならではのファームウェアの強みが貢献しているといえます。

MN:日本の市場をどう捉えていますか。

Tseng氏:現在、日本市場の売り上げ構成比は約20%ですが、PLEXTORにとって、日本はホームマーケットであり、最も重要な市場です。日本の消費者は、新たな製品、技術に最も敏感であり、その市場において成功すれば、ワールドワイドにも展開できると判断することができます。ですから、新製品は、まず日本市場に投入しています。

MN:最後に日本のユーザーにメッセージをお願いします。

Tseng氏:PLEXTORを応援いただきありがとうございます。今後も最高のパフォーマンスのSSD製品を提供し続けますので、これからもよろしくお願いいたします。