調査機関のイードが、iPhone 5ユーザーを対象に実施した「iPhone5 LTE通信満足度調査」の結果を発表した。それによると、iPhone 5の満足度およびLTE回線の満足度において、いずれもソフトバンクモバイルのユーザーがauユーザーを上回ったという。本稿で詳しく紹介していこう。

折しも先日、KDDI(au)ではiPhone 5で利用できる高速通信サービス「au 4G LTE」に関する広告が景品表示法違反にあたるとして、消費者庁から措置命令を受けたばかり。しかし本調査はそれ以前に行われたもので、調査結果には影響していない。今回の市場調査は2013年5月1日から7日まで行われたもので、対象者は全国のiPhone 5ユーザー、有効回答数は480サンプルだった。

iPhone 5の満足度ではソフトバンク優位

項目別に見た「満足度」では、「LTEの速さ」についてはソフトバンクモバイルが75.4%、KDDI(au)が68.8%だった。「カバーエリアの広さ・圏外の少なさ」「3G回線との切り替わりのスムーズさ」「LTEのつながる場所の多さ」については、いずれもソフトバンクモバイルの方が10ポイント以上高い数字になった。

両キャリアに共通する「不満点」は「カバーエリアが狭い」ことで、ソフトバンクモバイルでは58.3%、KDDI(au)は70.6%の人が不満と答えた。このほか、ソフトバンクモバイルでは「通信料金が高い」ことへの不満が高く、KDDI(au)の30.4%に対し40.3%だった。一方、KDDI(au)では「パケ詰まりが起こる」ことの不満をあげた人が52.9%にものぼった。キャリアにより、今後改善すべきポイントは異なると言えそうだ。

LTE回線、全体的な満足度では?

第3世代通信規格(3G)を高速化させたデータ通信サービスの「LTE」。キャリアごとに提供する名称が異なり、サービス内容も異なる。そこでiPhone 5ユーザーに「docomo LTE Xi(クロッシィ)」、「au 4G LTE」、「SoftBank 4G」、「SoftBank 4G LTE」それぞれの認知度について尋ねたところ、「知っている」と答えた人が最も多かったのは「au 4G LTE」で74.2%だった。以下「SoftBank 4G LTE」(69.0%)、「SoftBank 4G」(58.4%)、「docomo LTE Xi(クロッシィ)」(50.7%)と続いた。

次に「スマートフォンを利用する上で、どのような点を重視するか」について聞いたところ、最も多かった回答は「通信速度が速い」で72.3%、2位は「どこでも電波がつながる」で63.0%だった。ちなみに過半数の人が重要だと回答したのは、この2項目のみ。料金やデザイン等より、通信に関するストレスをなくすことが重視されていることが伺えた。

その上で「今使っている端末の高速通信ネットワーク(LTE、4G)にどの程度満足しているか」について聞いたところ、ソフトバンクモバイルでは70%の人が「満足」と答えたのに対し、KDDI(au)では57.5%にとどまった。「不満」と答えた人を見ても、ソフトバンクモバイルの10.1%に対し、KDDI(au)では23.8%にのぼった。iPhone 5における高速通信の総合的な満足度では、ソフトバンクモバイルの方がKDDI(au)より高いという結果になった。