考察とまとめ

ということでGeForce GTX 780の性能をお届けした。簡単にいえば「GeForce GTX TITANよりもちょっとだけ遅い」というあたり。それでも他の製品に比べるとずっと高速(例外はDual GPUのGeForce GTX 690とかRadeon HD 7990)である。消費電力も下がっており、製品バランスとしてはそう悪いものではないと思う。

問題は価格と入手性だ。NVIDIAによれば推定小売価格は\84,900とか。海外の情報サイトでは500~600EUROの価格レンジに入るなどといわれており、直近のEUR/JPYのレートが\130/EUR前後なので、ここから換算すると\65,000~\78,000なので、これよりちょっと高い事になる。

直近の数字で言えば、GeForce GTX TITANが128,619円GeForce GTX 680が59,903円といった値段になっている。GeForce GTX TITANの価格が高止まりしているのは、なにしろ供給される数が少ないからという事情もあるだろう。

それを考慮すると、初値で9万オーバー、そのあとは推定小売価格に近いところに次第に収束してゆくのではないかと思うが、コストパフォーマンスの観点ではちょっとだけ「?」ではある。

今回の結果で分かるとおり、ことゲームのフレームレートで言えばGeForce GTX TITANとそれほど大きな差はないから、それで3万円以上下がるならお買い得という見方もできる。

ただGeForce GTX TITANと異なり、GPGPU的な用途は切り捨てた(その最大のものがDouble Precisionの未サポートだ)訳で、その辺まで勘案すると8万円を切ってほしかったというのが率直な筆者の見解だ。

「数量がどのくらい出てくるか」も微妙なところ。こればっかりは蓋を開けてみないと分からない。そんなわけで、性能以外の部分で「やや微妙」という感じが否めない製品になってしまったのはちょっとかわいそうかもしれない。