米NVIDIAは19日(現地時間)、Kepler世代GPUの新モデルとして、デスクトップ向けハイエンドGPU「GeForce GTX Titan」を発表した。ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)向けGPU「Tesla K20X」と同じ"GK110"コアを採用したシングルコアGPU。価格は、北米市場におけるリファレンス準拠カードの参考価格で999ドル。

GeForce GTX Titan

スーパーコンピュータの処理能力ランキング「TOP500」の2012年11月版で、1位を獲得した米オークリッジ国立研究所の「Titan」に搭載されている、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)向けGPU「Tesla K20X」と同じ"GK110"コアを採用。ハイパフォーマンスながら、電力効率が高くスモールフォームファクタ(SFF)の筐体でも搭載できるとしている。

「GeForce GTX Titan」では、従来モデルで採用されていた「NVIDIA GPU Boost」を進化させた「NVIDIA GPU Boost 2.0」技術を備える。従来の「NVIDIA GPU Boost」は、TDP枠の余裕に応じて、GPUクロックを定格以上に動的に変化させていたが、「NVIDIA GPU Boost 2.0」では、GPUの温度に応じてGPUクロックを動的に変化させるという。

こうすることで、より低いGPU温度での動作クロックを向上させることができる。デフォルトの設定温度は80度だが、この温度は変更することも可能。

GeForce GTX Titanのコア

また、80Hzの垂直同期にも対応し、よりなめらかにゲームプレイが行えるとしている。

ブロックダイヤグラム

トランジスタ数は71億個、Graphics Processing Clusters(GPC)数は5基、そのGPCを構成するSMX数は計14基と、それぞれGK104の2倍となっている。CUDA Core(単精度)は2,688基、CUDA Core(倍精度)は896基、ROP数は48基、テクスチャユニット数は224基、GPUクロックは836MHz、GPU Boostクロックは876MHz、メモリは384bit接続の6GB GDDR5で、メモリクロックは6008MHz(データレート)。TDPは250Wで、利用電源ユニットの推奨容量は600W。リファレンスカードでは補助電源ピンに8ピン×1と6ピン×1を備え、出力端子はDualLink DVI×2、DisplayPort×1、HDMI×1。

■既存モデルとのスペック比較
モデル GeForce GTX Titan GeForce GTX 690 GeForce GTX 680 GeForce GTX 670
ベースコア GK110 GK104
製造プロセス 28nm
トランジスタ数 71億個 70.8億個 35.4億個
GPC数 5基 8基 4基
SMX数 14基 16基 8基 7基
CUDAコア数 2688基 3072基 1536基 1344基
ROP数 48基 64基 32基
テクスチャユニット数 224基 256基 128基 112基
GPUベースクロック 836MHz 915MHz 1006MHz 915MHz
GPUブーストクロック 876MHz 1019MHz 1058MHz 980MHz
メモリクロック 6008MHz
メモリタイプ 6GB GDDR5(384bit接続) 4GB GDDR5(512bit接続) 2GB GDDR5(256bit接続)
TDP 250W 300W 195W 170W
補助電源ピン 8ピン×1、6ピン×1 8ピン×2 6ピン×2
出力端子 DL DVI×2、DisplayPort×1、HDMI×1 DL DVI-D×1、DL DVI-I×2、Mini DisplayPort×1 DL DVI-D×1、DL DVI×1、DisplayPort×1、HDMI×1

3-Way SLI構成も可能