「HTC J one HTL22」

HTC J one HTL22

KDDIは今シーズンの4機種を「グローバルブランドか日本ブランドか」「定番かauオリジナルか」という2軸で分類している。HTCによる「HTC J one HTL22」は、その中でいうと「グローバルブランドかつauオリジナル」にあたる機種である。

まず目を引くのは、そのデザインだ。外装はフルメタルボディで高級感があり、背面は丸みを帯びた形状となっている。見た目は好みによるところが大きいので何ともいえないが、少なくともしっかりとした個性を感じるデザインになっていると感じた。

スペックとしては、4.7インチのディスプレイに2,300mAhのバッテリと32GBのメモリ、2GBのRAMを積むなど最新スマートフォンとしては及第点。また、本体前面にはステレオスピーカーを搭載しており、音質も格段にアップしているという。この他、microSDXCカードや、赤外線通信、ワンセグなどにも対応している点は歓迎すべきだろう。

しかし、なんといっても最大の特徴は、カメラの画素数が400万画素であるという点だ。1,400万ではない。400万画素である。何かの間違いのような数字だが、画素数が少ないことには明確なメリットがある。

詳細な説明を始めるとキリがないので大まかにまとめると、画素数が少ない方が暗い場所で綺麗な写真を撮りやすいのだ(あくまで傾向であり、機種によっても変わる)。この場合の「綺麗」というのは、「ノイズが少ない」ということである。たとえば手持ちのスマートフォンで暗い室内を撮ってみてほしい。写真全体がザラッとした写りになっているはずだ。これが「ノイズ」である。画素数が少ないと、このノイズを減らせるのだ。ちなみに「HTC J one HTL22」によると「光を色彩豊かに表現できるセンサー「HTC UltraPixel」を搭載したことで、一般的な1,300万画素カメラのスマートフォンと比較して約3倍明るく撮影できる」のだという。

もちろん画素数が多いことにはメリットもある。たとえば、大きくプリントするときには画素数が多い方が有利だ。もっとも、スマートフォンで撮った写真を、たとえば雑誌レベルの大きさでプリントする機会がどれだけあるだろうか。そう考えると、400万画素は決して少ない数字ではない。

また、カメラでもう一つ、「HTC Zoe」という機能も特徴的だ。これはシャッターを押す1秒前から4秒間を撮影することで、撮影後に最適な写真が選択できる機能で、撮った写真の中から一部ずつを選んで合成することもできる。たとえば何人かで一緒に撮った記念写真で、一人だけ目をつぶっていたり、横を向いていたり、ブレてしまったりすることはよくあるが、そんなときに「HTC Zoe」なら、4秒間で撮影した写真の中から「きちんと笑顔でカメラ目線になっている顔」だけを選んで合成することができるのだ。自力で編集しようとすると大変な作業を自動で行なってくれるのは非常にありがたい。

HTC Zoe

一方で「HTC J one HTL22」の欠点としては、防水防塵ではないことと、157gと比較的重量があることだろうか。この点を重視する人には向かないが、そうでなければたいていの人にオススメできる機種だと感じた。特に飲み会などの暗い場所で写真を撮り、SNSでシェアするのが好きな学生・社会人にぴったりだろう。

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