高倍率ズームと手ぶれ補正、そしてWi-Fi(無線LAN)アクセス。ちょっと前までは考えられなかった充実の機能を装備したモデルが、今やコンパクトカメラの主戦場になりつつある。各メーカーがさらなるプラスアルファの要素で他社製品との差別化を模索する中、ひときわ目を引くのがソニーの「Cyber-Shot(サイバーショット) DSC-WX300」だ。

「Cyber-Shot(サイバーショット) WX300」

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コンパクトカメラならではの選択基準として重要なものに、「とにかく小さいこと」がある。パーカーやジャケットのポケットに放り込んで、気軽に持ち歩き、サッと取り出してサッと撮れる。それはやはり、デジタルカメラの大きな武器だ。スマホが使いやすさを重視して大画面化され、一方でカメラ的な使い勝手は犠牲となりつつある昨今、光学ズームが使えてより画質も良好なコンパクトカメラの価値は再び見直されてきている。

また、一眼レフで作品を撮る写真愛好家も、フットワーク重視の撮影はコンパクト機で済ませたいというニーズがある。その条件として、小さいことを最優先に挙げる人は少なくない(もちろん、ある程度の画質と機能を前提にだが)。

シンプルでスタイリッシュながら、どこかレトロなデザイン。バルナックライカのエッセンスを感じさせる

背面の操作系は主に右下に集中。液晶画面は約46万ドットの3型クリアフォト液晶

その点、WX300は間違いなく小さい。本体のサイズは、わずか96mm(W)×54.9mm(H)×25,7mm(D)。しかも、これが割と重要なのだが、外観のデザインと細部仕上げの質感が良い。所有する喜びを喚起する物作りの上手さは、さすがソニーといったところ。そのうえ、20倍ズームレンズと光学式手ぶれ補正、そしてWi-Fiアクセス機能まで搭載して、実売で2万5,000円前後(2013年4月末現在)とくれば、そのコストパフォーマンスの高さは驚愕に値する。

20倍ズームなのにこんなに小さい

省電力設計も嬉しいポイントだ。通常、バッテリー性能は電力容量の関係上、本体サイズに比例することが多い。だが、WX300では小型で大容量のXタイプバッテリーを採用。標準撮影枚数はCIPA規格で約500枚と、従来機の約2倍のスタミナを獲得している。

インタフェースとロゴデザインが、実に美しく合理的に配置された軍艦部

Wi-Fi機能を搭載していることを外観的に唯一主張するロゴマークプリント

この薄いボディに光学20倍ズームレンズが格納されているなんて!

軍艦部の美しいヘアライン、IP処理されたズームレバーなど惚れ惚れする仕上がり

側面にはマルチ端子

底部

記録メディアは、SD/SDHC/SDXCメモリーカードやメモリースティックデュオ系両方に対応

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