気になる値段の試算をしてみよう

さて、パッケージ版かクラウド版かを悩む最大の理由が「価格」になるだろう。アドビはアプリケーションのアップグレード対象を、これまでの「3バージョン前」から「1つ前の主要バージョンまで」に変更した。Creative Suite 6を発売した当初に用意されていたCS3/CS4ユーザー向けの特別提供版は購入可能な期間が過ぎているため、Creative Suite 6 Master Collectionへのアップグレード価格は、Creative Suite 5.5 Master Collectionからアップデートする場合の6万4,500円か、Creative Suite 5 Master CollectionおよびCreative Suite 5.5 Design Standard、Design Premium、Web Premium、Production Premiumからの12万9,000円となる。

CS3以降のユーザーには、Creative Cloudの特別提供版が用意されている

一方、Creative Cloudは(個人版メンバーシップ価格)は、CS3以降のユーザー向けに用意された特別提供版が月々3,000円(初年度のみ。次年度以降は月々5,000円/年)なので、1年間の出費は初年度3万6,000円、次年度以降は6万円だ。Creative Suiteはアドビから約2年でバージョンアップのスケジュールが提示されているので、パッケージ版で次バージョンがリリースされれば、現在のアップグレード価格と同等の出費になるだろう。

これを2年間にかかるコストと考えて月々の支払額に換算すると、パッケージ版を購入する方がやや安価となる。そのため、現在Creative Suite 5.5 Master Collectionを使用するユーザーにとっては、ストレージやアップデートの早さなど、アプリケーションそのもの以外の部分に魅力を感じるかどうかが、Creative Cloudに移行するか否かの分かれ目になりそうだ。その一方で、現在Creative Suite 5 Master Collection以前のバージョンを使っているユーザーにとっては、最新のアプリケーションと作業環境が得られるCreative Cloudの方が、初期投資額として安価である。

Creative Suite 6およびCreative Cloudが登場して約1年。来年は次のバージョンが発売されるのではないか?という時期になってきた。まだ最新バージョンに移行するか悩んでいるという読者は、次のバージョンアップを見据えて現在の環境を精査し、コスト試算を行った上で堅実な選択をしてほしい。