富士電機は4月17日、3モジュール分の回路を1パッケージに集約した「AT-NPC(Advanced T-type Neutral-Point-Clamped)3レベル12 in 1 IGBTモジュール」シリーズを発表した。

富士電機の「AT-NPC3レベル12 in 1 IGBTモジュール」シリーズ

同社では、2010年2月に電力損失の削減が可能な「AT-NPC3レベル(新3レベル)変換回路」を開発し、2011年2月には同回路を適用したパワーモジュールを製品化していた。

3レベル変換回路は、出力電圧ステップ数を3レベル化することにより、従来の2レベルと比較してスイッチング時の電源電圧が1/2となり、スイッチング損失を低減できるほか、独自のRB-IGBT(逆阻止IGBT)を搭載することで、逆方向電流をブロックするためのダイオードを不要とし、導通損失のさらなる低減と変換回路の効率向上を可能としている。

今回の製品は、省エネに加え、必要な回路の1パッケージ化により、インバータやUPS(無停電電源装置)などパワーエレクトロニクス機器の小型化ニーズに応えるものとなっている。

具体的には、1台のパワーエレクトロニクス機器(3相電源)に必要とされる3モジュール分の回路を1モジュールに集約したことで、従来品を組み合わせた場合と比較して、実装面積(底面積)を60%縮小したほか、RB-IGBTを用いたAT-NPC3レベル変換回路により、電力損失を50%削減することが可能となった。

なお、ソルダピン(はんだ付け)とプレスフィットピン(圧力による装着)の両タイプが用意されているため、組立工程に合わせた選択が可能となっている。

「AT-NPC3レベル12 in 1 IGBTモジュール」シリーズの概略仕様