W700/W700Dは、高性能なピュアタブレットだ。この製品を欲しいと思うのは、iPadやAndroidでは処理能力や使えるアプリにもの足りなさを感じるユーザーだろう。W700/W700Dが持つ強みは2つある。まずCPUにIntel Core i3/i5を搭載し、高いパフォーマンスが期待できること。キーボードを持たない、あるいはセパレート型タブレットでCPUにATOMを採用したモデルに対して、これは大きなアドバンテージとなる。そしてOSとして、Windows 8 64bit版を搭載している点だ。タブレットではあるが、PCとまったく同じアプリケーションが使えるのは、本機を購入する大きな動機になるはずだ。

前面にはホームボタンがあるのみで、デボス加工されたロゴが右下隅にあしらわれている

ところで、W700/W700Dは、付属品と基本性能が異なる兄弟モデル。後者のW700Dには、Bluetoothキーボードが同梱される。ソフトタッチのブック型カバーと一体化しており、カバーを開いてW700D本体を「みぞ」に立てかけることで、クラムシェル型ノートPCと同じ感覚で利用できる。また、CPUとSSD容量がW700よりも強化されている。それ以外は外観を含めて同じなので、まとめてチェックしていこう。

外観は全体的に丸みが少なく、フラットでかっちりとしている。曲面があるのは、本体の四隅に付けられた緩やかな「R」と、底面のわずかな部分のみ。手になじみやすいと言うより、付属のクレードル(W700のみ)に合わせるためのデザインという印象だ。ただし持ちにくいわけではない。ボディはアルミ製だが、表面はツルツルした感じがなく、むしろサラサラしていて、手に触れたときの感触は心地よい。

本体右側には電源ボタンと音量調節ボタン、ヘッドホン端子

左側にはHDMI端子、USB3.0ポート×1基、電源コネクタ

本体上面には回転ロックスイッチ

底面にはステレオスピーカーを配置

11.6型の液晶ディスプレイを採用しているため、ほかのタブレットに比べると、一回り大きく感じる。本体サイズはW295×D191×H11.9mmで、重さは約950gある。ノートPCと比べれば軽いほうだが、タブレットとして使うことを考えると、片手に持って長時間操作するのは厳しいかもしれない。

インタフェース類はシンプルだが、実用性に富む。特にmicroHDMI端子を標準で備えているので、プレゼン用途にも適す。もちろん家のテレビにつないで、映像を楽しむといった使い方もできる。パッケージにはmicroHDMI-VGA変換アダプタも付属しているので、出先のモニタに出力したいといったときでも、あわてなくてすむのが嬉しい。

残念なのはメモリカードスロットが用意されていないことだ。USB3.0ポートが1基あるので、モバイル時はちょっとスマートではないが、USB接続のメモリカードリーダーを手元に用意しておけばカバーできる。

W700Dの付属カバーは内側にBluetoothキーボードが一体となっている(写真左)。W700D本体はラバーフレームにはめ込まれている(写真中央、右)。この状態でも、コネクタ類とボタン類はすべて使用可能

上面

左側面

右側面

500万画素のカメラを本体背面に搭載しており、静止画や動画を撮影可能

付属のアダプタ。重さは295gだ。大きくも小さくもない印象

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