テレビ市場については苦境も伝えられており、国内では2010年度をピークに台数は大幅に減少している。しかし、その中で46V型以上の大型テレビの金額構成比は大幅に向上している。市場予測でも、2012年6月の予測に比べ、2013年3月の最新予測では全世界の4Kテレビの市場はさらに大きくなるとみられており、大型化・高精細化のトレンドが期待されている。
国内市場では、2004~2006年ごろに薄型テレビ化したユーザーの買い換え需要が高まっており、多くがさらなる大型化を希望しているという。こうしたトレンドは、エコポイント、地デジ需要に沸いた2010年購入ユーザーの買い換えまで継続するとみている。
そのため、今回の新製品では「圧倒的な臨場感と感動体験」を提供する4K対応テレビを始め、42V型以上をラインナップの中心に据えた。こうしたテレビに触れてもらうために、体感イベントや店頭展示を積極的に行う。多くのユーザーが4K対応テレビが必要であるわけではないため、映画や音楽、旅行、自然観賞、デジカメ所有者といった「趣味に積極的に時間を使う人」をターゲット層として、そうした人たちに向けたプロモーションを展開していく計画だ。
2012年度は、固定費やオペレーションコストの削減が進み、赤字幅の半減はほぼ達成できる見込みで、今年度は、この効果に加えて商品力の強化を図ることで、黒字化を達成したい考え。今村氏は、「黒字化に自信がある」と強調する。
商品力を強化する製品として発売されるX9200Aシリーズは、テレビの基本性能を向上させる機能を盛り込んだ |
フルHD対応ディスプレイでは、全機種X-Reality PROエンジンを搭載。W900Aシリーズにはトリルミナスディスプレイ、W900A/W802Aにはワンタッチミラーリング機能を搭載 |
「絶対にテレビをコモディティにしない。やるべきことは一杯ある。挑戦は終わりではない。一歩一歩、進めていく」と今村氏は意気込んでいる。