まず「Touch Cover」(オシャレ)は、感圧式を採用したタッチキーボードである。感圧式は押した圧力を検知して、「ここが押されたんだな」と判断するやり方。つまり、ある程度の強さでキーを叩かないと反応しないのだ。

表面にはごくわずかにキーの凹凸があるのみ

つけた状態は本当にカバーそのもので、とてもキーボードとは思えない

また、キーを押しても沈んだり反発したりするわけではないので、"押した"という感触がほとんど手に残らない。長文を書く上ではどうしてもこれがネックとなり、"押したと思ったのに押せてなかった"という事態が何度も発生した。

これを回避するコツとしては、普段よりも意識して一つ一つのキーを強めに叩くことだ。それでも慣れるまでは定期的に入力ミスが発生するため、長文を集中して書くのにはちょっと使いにくい。短文であれば問題ないが、長文の書類、大学のレポートなどのしっかりした書類作成にはなかなか厳しいものがあると感じた。

手応えはまるでない。タイピング速度はどうしても遅くなってしまう

Type Coverはキーがしっかり押し込めるようになっている。その分キーボード自体には厚みがある

ということで、長文を書く可能性がある人にはもうひとつの「Type Cover」をおすすめしたい。こちらは一般的なキーボードと同じように、叩くとキーがスッと下がり、しっかりと"押した感"が得られるので長文入力にも適している。こちらで長文を入力してみたが、「Touch Cover」(オシャレ)よりもはるかにストレスなく書き続けることができた。これなら筆者のライター仕事にも十分活用できる。また、重量も「Touch Cover」(オシャレ)より10グラム程度重いだけとそう変わらないのは魅力的だ。

じゃあ「Type Cover」の方がすべての面で上かというとそうでもない。「Touch Cover」(オシャレ)のキーボードは確かにがっつりした長文仕事には向かないが、逆にメール、SNSへの投稿などちょっとした文章程度ならこちらで十分だし、重さは「Type Cover」とさほど変わらなくても、厚みは3ミリ程度とそれなりに違う。タブレット端末における3ミリの差はでかい。

さらに、日本で発売されているカラーリングが「Touch Cover」(オシャレ)はブラック、ホワイト、ブルーの3種類なのに対して、「Type Cover」はブラック1種類のみ。選ぶ楽しさがあるのも「Touch Cover」(オシャレ)の方だけだ。ついでにいうと、主観ではあるが、「Touch Cover」(オシャレ)の方がスタイリッシュでかっこいい。タイピングしている姿を見て「おっ」と思うのは絶対に「Touch Cover」(オシャレ)のブルーだと思う。「Type Cover」はなんていうか、実用的なのだけど、ぱっと見はちょっと変わったノートPCである。

見た目の問題かよ! と言われそうだが、タブレットは見た目も重要な要素なのだ。 ってことで2種類のカバーは一長一短。個人的には財布が許せば両方を購入して、実用性を重視する場面と見た目を重視する場面で使い分けたいところである。