あくまで全国平均での値で、東名阪などの都市部に限れば、「100倍以上に伸びた」そうだ。「スマートフォンの歴史は、爆発的なデータ通信量の伸びと言い換えてもいい」と孫社長は語る。

データ通信量は60倍に

都市部だけ見れば、さらに爆発的に伸びた

ここで問題になっているのが「パケ詰まり」と孫社長。この言葉自体は、インターネット上で発生した俗語のようなものだが、孫社長は「アンテナバーは立っているが、データが流れない状態」と定義。実際の原因はさまざまだが、いずれにしても孫社長は、この状態を問題視する。

最大の問題は「パケ詰まり」

「110Mbpsの高速通信のLTEとか、それを上回る速度という宣伝や記事が出始めているが、瞬間風速的にネットワークが空いているときに他社を速度で上回ったかどうかはあまり意味がない」と、自身が行った過去の発表会の表現を否定。実際にはネットワークの混雑や「パケ詰まり」で速度が出ない点を問題視する。

「パケ詰まり」の定義

小セル化とダブルLTEで「パケ詰まり」を解消

こうした問題の解決策はいくつかあると孫社長。その「一番効果的な方法が小セル化」という。これは1つ1つの基地局がカバーするエリアを狭くして収容人数を少なくすることで、ネットワークの混雑を避けることができる。

パケ詰まりに効果的なのが「小セル化」

孫社長は、「プラチナバンドがないときに、建物内やビル陰、山間部では電波が通りづらかったので、やむを得ずたくさんの基地局の数を増やしてきた」としつつ、「いずれかならずパケ詰まり(という現象)が最大の問題になる」と見ている。それを解決する方策として、エリアの穴の解消と同時に小セル化に取り組んできたのだという。5~6年前から取り組んできたと孫社長は語る。

通常、1つの基地局にぶら下がるユーザーが何人までなら問題にならないか、という目安があって基地局を設置していく。例えば1基地局辺り1,000人収容の基地局に対して、同じエリアを100人収容の小セル10局でカバーすれば、1つの基地局辺りの接続人数は1/10ですみ、混雑解消につながる。