iOSはMac(OS X)とシステムの基盤が共通であり、マルチタスクの仕組みも基本的には共通だ。MacほどCPUパワーやメモリ領域といったシステム資源が豊富なわけではないため、『電話』や『ミュージック』、『Safari』など一部のアプリしかマルチタスクで動作しないよう制限を設けているが、どのアプリもホームボタンを押して閉じるとその状態がしばらく維持されるため、マルチタスク風に活用できる。
しかし、どのアプリがマルチタスク動作しているかはひと目では判断できない。ホームボタンをダブルクリックすると現れる領域(マルチタスキングトレイ)は「最近使ったアプリの履歴リスト」で、それを見てもどのアプリのプロセスが稼働中かはわからない。
一部のプロセスは終了できないという、わかりにくい仕様もある。ほとんどのアプリは、マルチタスキングトレイでプロセスを終了させることができるが、その方法を使っても『電話』や『メール』などシステム標準装備の一部のアプリは終了できないのだ。
すべてのアプリ/プロセスを完全に終了するには、iOSを再起動するしかないが、そうしない方法もある。それは「言語環境の切り替え」。電話やSafariといった終了できないアプリは再起動され、それまで割り当てられていたメモリもいちど解放されるため、システムがiOSの再起動直後に近い状態になる。
iOSを再起動すると、設定次第ではSIM PINの入力が必要になるなど手間がかかるが、この方法ならばそれほど時間はかからない。ただし、自分が読めない言語を選ぶと日本語環境に戻すとき苦労するので、その点には注意しよう。
操作手順をカンタン解説
1 ホームボタンをダブルクリックすると現れる「マルチタスキングトレイ」。ここで強制終了の操作を行っても、実際にはプロセスが終了しないアプリもある |
2 言語環境の切り替えを行うには、「設定」→「一般」→「言語環境」の順にタップする |
7 『System Status』などのアプリでシステムの状態を調べると、メモリやプロセスがiOSの再起動直後とほぼ同じ状態になっていることを確認できる |