前2回にわたり、GIGABYTEマザーボード部門のプロダクト・マネージャーに、GIGABYTEマザーボードの特徴やユーザーとの繋がりについてお聞きした。

前編/中編の記事はこちら
【インタビュー】GIGABYTE本社のマザーボード開発責任者に聞いてきた(前編) - GIGABYTEマザーの設計・開発プロセス
【インタビュー】GIGABYTE本社のマザーボード開発責任者に聞いてきた(中編) - Z77新シリーズ「GA-Z77X UP」の真髄

最後を締めくくる今回は、GIGABYTEマザーボードや機能のこれから、今後のプロダクトやPC DIYにおけるトレンドについてどのように捉えているのか、あまり回答しづらい設問だが、その回答からヒントとなりそうなところをピックアップしてみた。

GIGABYTE台湾本社Motherboardビジネス事業部 Innovation & Creative Value Center Deputy Division Director Product Planning DirectorのJackson Hsu氏(左)と、GIGABYTE台湾本社Motherboardビジネス事業部 Service & Marketing Center Division Director Product Planning DirectorのClaude Liao氏(右)にお話を伺った

次世代マザーでもThunderboltをプッシュ

――新シリーズの多くのモデルでは、Intelの次世代インターフェイスであるThunderboltを採用しています。このThunderboltの今後について見解をお聞かせください。

現在のところ、市場に流通しているThunderbolt周辺機器がストレージ中心であることは理解しています。ただしThunderbolt規格自体はIntelがプロモートする新しいI/Fです。今後、当然普及していくものと考えています。

今後発展していくと思われる方向性につきましては、もちろん一部はすでに登場しているものもあると思いますが、ハブやドッキングステーション、外付けグラフィックスカードなどがあると把握しています。

Thunderboltという名前のI/Fですが、実際のところ信号的にはPCI Expresseですので、応用範囲はかなり広いと思っております。今後、次の世代のプラットフォームに移行する際にも、同様にプッシュしていく機能のひとつだと考えています。

Thunderboltを、1ポートではなく2ポート搭載するモデルを中心にラインナップするGIGABYTE。この新I/Fにはかなり積極的な姿勢を見せている

――外付けグラフィックスカードなど、Thunderbolt機器の開発はお考えですか

すみません、インパクト自体は大きいと思いますが、マザーボード製品を担当している為、具体的なところについては、私からの返答は差し控えさせていただきます。

グラフィックスカードチームとは情報を密に共有

――GIGABYTEは様々なPCパーツを展開していますが、そのなかでもマザーボードとグラフィックスカードは、自作PCにおける花形だと思います。GIGABYTE内でのマザーボードチームとグラフィックスカードチームはどのような関係にあるのでしょうか。

GIGABYTEのなかでは、マザーボードチームとグラフィックスカードチームは分かれています。作るものは異なりますが、それぞれに得意分野があり、例えばマザーボードチームだと電源周りの設計やデザイン、グラフィックスカードチームではヒートシンク設計などで優れた技術を持っています。

2つのチームの間では交流する機会を設け、例えば「これにはこうした効果があります」といった具合で情報を共有しています。

――GA-Z77X-UPシリーズでIR3550チップが採用されましたが、今後グラフィックスカードにおいても採用される可能性はある、と?

我々はマザーボードチームですので正式な回答はできませんが、可能性として述べるなら、同じようなコンポーネントを使うことはあると思います。

――GA-Z77X-UP7のテクノロジについてお聞きした際、ヒートシンクデザインのプロセスを教えていただきました。ヒートシンクのように、マザーボードとグラフィックスカードのどちらでも利用されるコンポーネントは、マザーボードチームとグラフィックスカードチームで分かれているのでしょうか、それとも冷却ソリューションのデザインチームとして1つのチームとして存在しているのでしょうか。

ヒートシンクの設計部隊は、マザーボードチームとグラフィックスカードチームそれぞれが持っています。ただし、先程の答えと同じように、ヒートシンクの設計部隊もマザーボードチーム、グラフィックスカードチームとの間で情報を共有しています。

――そのほかにも電源やケース、ペリフェラルなど、幅広く展開していますが、それらを統合し、「デスクトップPC製品」として展開するお考えはありますか。

実際にシステムベースで出荷することは別の部門で行なっています(SI向けというニュアンス)。ただ、トータル製品、ブランドとしての展開は行なっていません。今後、そうした方向にもっていければ、という希望はありますが、現在のところ個々のコンポーネント毎の事業が中心です。

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