役目を終えるWindows Live Mesh

その一方でMicrosoftは、Windows Live MeshからSkyDriveへの移行を推し進めている。そもそもWindows Live Meshは、2008年後半からベータテストが始まったファイル同期サービス。本来は米FolderShareが提供する同名のサービスを2005年にMicrosoftが同社を買収し、当初はWindows Live FolderShareという名称でサービスを展開してきた。そしてWindows Live Syncに再び改称し、2008年からは前述のとおりWindows Live Meshとしてベータ版をリリースしている。

バージョン2011からSkyDrive上に設けた専用領域と同期する機能を備えることで、一方のコンピューターが起動していないと同期されないという欠点を拭うことはできた。しかし、読者もご承知のとおりオンラインストレージサービスの台頭により、コンピューター間の同期は有用性を欠くことなった現状を踏まえると、Windows Live Meshは終了するは自明の理である。

製品マーケティング担当のDavid Kornfield(デビッド・コーンフィールド)氏が投稿した記事によると、Windows Live Meshは数百万人程度が利用していたが、SkyDriveのユーザーは二億人に達したそうだ。しかし、二万五千人程度のユーザーがWindows Live Meshにとどまっているという。その結果Microsoftは、Windows Live Meshを2013年2月13日を持って終了することを前述の記事で正式に発表した。

同社は既存のWindows Live MeshユーザーにSkyDriveへの移行をうながし、Windows Live Meshで行ってきた作業をSkyDriveで代用する方法を紹介。図06は同記事を意訳したものだが、ポイントはこれまでローカルストレージで管理していたファイルやフォルダーを、オンラインストレージに移行させるという点だ。また、Windows Live Meshが備えてたリモートアクセス機能は、Windows OSに付属するリモートデスクトップ接続を推奨している(図06)。

図06 Windows Live Meshユーザー向けSkyDrive代用案

ただし、リモートデスクトップ接続を受け入れるにはWindows 8 Pro以上やWindows 7 Professional以上など、ビジネス向け上位エディションが必要。家庭向けエディションとなるWindows 8やWindows 7 Home Premiumなどは他のコンピューターにリモートデスクトップ接続できても、接続を受け入れることはできない(図07)。

図07 リモートデスクトップ接続を受け入れるには、ビジネス向け上位エディションが必要となる

家庭向けエディションを使用中の場合は、「LogMeIn Pro」というリモートデスクトップアクセス機能をOSに追加するアプリケーションを推奨している。9,640円/年(2,030円/月)とやや高価だが無料で試用できる「LogMeIn Free」も用意。もっとも、リモートデスクトップ接続を行うフリーソフトは数多く存在するので、必要な機能を見据えながら選択した方がいいだろう(図08)。

図08 記事ではリモートデスクトップ接続のサーバー機能を備えないエディション向けに「LogMeIn Pro」を勧めている

阿久津良和(Cactus