機能面では、新たに搭載した「ファストハイブリッドAF」が見どころだ。これは従来のコントラストAFに加えて、イメージセンサー上に配置した像面位相差AFセンサーによる位相差AFを併用したシステムのこと。位相差AF用には、画面中央部に99点の測距点を配置。その99点に重なるエリアでピント合わせを行うと、自動的にコントラストAFと位相差AFが掛け合わさった状態でスピーディにAFが作動する。

従来のコントラストAFのみの測距に比べて、AFの動作がスムーズになったことははっきりと実感できる。超高速とまでは言えないが、これまでの「NEX」シリーズが苦手としていた動きのある被写体に対しても、まずまずのレベルで対応可能だ。

なお、ファストハイブリッドAFが有効になるのは対応レンズを使用した場合で、非対応レンズの場合はコントラストAFのみが作動する。現時点(2012年12月)でのファストハイブリッドAF対応レンズは、キットに付属する標準ズームなど5製品。今後さらにファームアップによって対応レンズを増やしていく予定とのことだ。

ライブビュー画面上に、位相差AF用の99点のAFポイントを表示した状態

ファストハイブリッドAF対応の標準ズーム「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」

もうひとつの大きな見どころは、Wi-Fi機能を新搭載したこと。これによって、撮った写真をスマートフォンやタブレットにワイヤレス転送できるほか、パソコンへのバックアップや、ネットワーク対応のテレビでの鑑賞などが可能になる。

カメラ本体をアクセスポイントにしてスマホやタブレットに接続できる

さらにユニークなのは、カメラを直接インターネットに接続し、同社サイト「PlayMemories Camera Apps」からさまざまな機能(アプリケーション)をダウンロードできることだ。今のところ、無料アプリとして「ピクチャーエフェクト+」「ダイレクトアップロード」「スマートリモコン」「フォトレタッチ」、有料アプリとして「ブラケットPro」、「マルチショットNR」が用意されている。まだ種類は豊富とはいえないが、今後の充実に期待したい。

そのほかの機能としては、高速連写と合成によって広階調の画像を作り出す「オートHDR」や、解像感を保ったままで画像をズームアップする「全画素超解像ズーム」、カメラをひと振りするだけでパノラマ画像を作成する「スイングパノラマ」、ピーキング表示、AF微調整、レンズ補正、電子水準器などを搭載。連写は最高で約10コマ/秒に、動画は60pのフルハイビジョン記録にそれぞれ対応する。

アプリのダウンロードサイト「PlayMemories Camera Apps」につないだ状態

アプリのひとつ「スマートリモコン」では、スマホをリモコン代わりに活用できる