我々には直感的に理解できない単語が用いられることが多いコンピューターの世界。新たに登場するWindows 8を踏まえつつ、Windows OSで用いられる単語(=キーワード)を個別にピックアップし、詳細な解説をお送りする。今回取り上げるキーワードは、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を採用したOSには欠かせない「アイコン」だ。

Windows 8キーワード一覧

「デバイス」とは
「パス」とは
「ボリューム」とは
「共有フォルダー」とは
「ホームグループ」とは
「カーネル」とは
「プライベートネットワーク」とは
「レジストリ」とは
「ピン留め」「ジャンプリスト」とは
「デスクトップ」とは
「タスクバー」とは
「エクスプローラー」とは
「Windowsストアアプリ」「デスクトップアプリ」とは
「チャーム(Charm)」とは
「スタート画面(Start Screen)」とは
「タイル/ライブタイル(Tile/Live Tile)」とは
「アプリバー(App Bar)/ナビゲーションバー(Navigation Bar)」とは

「アイコン(Icon)」

アイコン(Icon)

ファイルやフォルダーの内容、または処理内容を視覚的に表現するパーツの一つを指す単語。今では当たり前のように存在するアイコンだが、その歴史はCharles Peirce(チャールズ・パース)氏の記号論が源流にあると言われている。同氏が提唱した記号のクラスでは、ラベルなどの記号に付随するインデックスを除いたものにヒポイコンという呼称を付けた。

これをコンピューター上で実現したのが、Alan Kay(アラン・ケイ)氏が提唱した「ダイナブック構想」および、暫定的ハードウエアである「Alto(アルト)」。そして、Altoに感銘を受けて生み出されたAppleの「Lisa(リサ)」である。Windows OSに目を向けるとバージョン1.0で既にアイコンを採用しているが、FD(フロッピーディスク)のデザインが5.25インチFDであることからも、1985年という時代を感じ取れるだろう(図01~02)。

図01 Lisa OS 3.0のデスクトップ。アイコンを主体としたデザインを採用している

図02 最初のバージョンであるWindows 1.xでは既にアイコンを採用している

Windows OSにおけるアイコンが大きく変化したのは、Windows Vista以降。Windows XPでは48×48ピクセルを推奨していたが(96×96ピクセルも表示可能だった)、新たに256×256ピクセルのアイコン画像をサポートし、視覚的な強化が図られた。アイコン情報は画像ファイル形式としての「.ICO」ファイルや、DLLファイルに格納されており、通常はサイズや色数の異なる複数の画像を収納している。通常はビットマップ形式だが、Windows Vistaからは圧縮したPNG形式もサポート。Windows 8はこれらの機能をそのまま踏襲している。

また、Windows OSとは直接関係ないが、Webサイト用アイコンである「Favicon(ファビコン)」を最初にサポートしたのはInternet Explorer 5で、現在では多くのWebブラウザーがサポートする結果となった(図03)。

図03 「特大アイコン」で表示したWindowsフォルダー。すべてのファイルに256×256ピクセルのアイコン情報が格納されているわけではない

阿久津良和(Cactus