各社が続々と新商品を投入しており、盛り上がりを見せているのが電子書籍端末だ。11月15日に楽天の「kobo glo」が発売されたのを皮切りに、11月19日にはAmazonの「Kindle Paperwhite」が発売されたほか、12月10日にはBookLive!の「Lideo」の発売が予定されている。

電子書籍に関しては、ここ何年も「電子書籍元年」と言われつつも、いまいちブレークしていなかったのが現状だ。しかし、出版社が続々と電子書籍へ対応しており、書籍点数は着実に充実してきている。また、2012年は、電子書籍の閲覧にも向いているとされる「iPad mini」や「Nexus 7」といった低価格の小型タブレットも発売されて人気となっており、いよいよ今度こそ本当の「電子書籍元年」ということになりそうだ。

日本国内の電子書籍における今年最大のトピックの一つが、7月に楽天が電子書籍端末「kobo Touch」を投入したことだろう。電子書籍端末は、これまでもSONYの「Reader」をはじめとしていくつか販売されてはいたものの、価格帯などの面からそれほど注目を集めていなかった。

しかし、kobo Touchは7,980円という1万円を切る価格で発売され、電子書籍端末への注目度を一気に押し上げた。発売当初は初期設定などでいくつかトラブルがあったものの、現在では解決されており、電子書籍への関心が深まったことについては、大きく貢献したと言えるだろう。

電子書籍端末? それとも、タブレット? 端末の選び方

電子書籍は、各社が展開している電子書籍ストアで購入して閲覧することとなる。もちろん、各社の電子書籍端末で閲覧可能だが、スマートフォンやタブレット、PC向けアプリが提供されていることも多く、さまざまな端末で閲覧できるようになっている。ここでは、大画面で閲覧できることと、携帯性のよさという電子書籍を読む上で重要な2つの点から、電子書籍端末とタブレットを比較してみよう。

電子書籍端末の特徴は、タブレットのような液晶ディスプレイとは異なり、電子ペーパーを採用していることだ。そのため、iPad miniやNexus 7などのタブレットと比較すると、軽量で持ち運びやすく、片手でも楽に持てるようになっている。また、電子ペーパー自体は発光しないため、消費電力が非常に少ないほか、目に対する負担も小さいのが強みだ。旅行や出張で遠方に行く際に、長時間じっくりと書籍を読みたいなら、電子書籍端末が最適だろう。

一方で、タッチの反応のよさで言えば、電子書籍端末よりもタブレットのほうが優位だ。また、電子書籍以外に、メールやSNSなど、さまざまなアプリを利用できるのも、タブレットのメリットだろう。しかし、このメリットは場合によっては、デメリットにもなり得る。たとえば、集中して書籍を読みたいときに、メールやSNSの通知が来てしまうと集中力を削がれてしまう。その点、電子書籍端末であれば、メールなどを気にすることなく、書籍に没頭することができるはずだ。

各社の電子書籍端末を比較

それでは、各社が発売中、または発売予定の電子書籍端末を比較してみよう。ここでは、楽天の「kobo glo」、Amazonの「Kindle Paperwhite」、BookLive!の「Lideo」、SONYの「Reader」という代表的な4つの最新機種を取り上げる。

電子書籍端末のスペック比較表。(拡大画像はこちら)

・価格

まず価格で見てみると、廉価なモデルの比較では、「kobo glo」、「Kindle Paperwhite」が7,980円と一番安くなっている。次いで「Lideo」、そして一番高いのが「Reader」で9,980円と、kobo gloなどと比べると2,000円ほど高い。

・拡張性

多くの電子書籍を読みたいなら、どのくらいの容量の電子書籍を保存できるのかもポイントだ。内蔵メモリで言えば、「Lideo」が4GBと一番大きいが、microSDカードには非対応のため、これ以上の拡張はできない。また、「Kindle Paperwhite」もmicroSDカードには非対応だ。「kobo glo」、「Reader」はmicroSD・SDHCカードに対応しており、最大32GBを拡張できる。これにより、コミックだと約600~1,500冊、書籍の場合だと約3万冊分を持ち運ぶことが可能となるため、マンガを多く読みたい人であれば、microSDカードに対応した機種を選んだほうがよさそうだ。

・内蔵ライト

電子ペーパー自体は発光しないため、従来の電子書籍端末は暗い場所で読みにくいのがデメリットだった。しかし、最新機種ではライトを内蔵し、暗い場所でも読みやすくなっているものがある。ライトを内蔵している機種は、「kobo glo」と「Kindle Paperwhite」だ。一方、「Lideo」と「Reader」はライトを内蔵していない。

・日本語コンテンツ

各端末で利用できる電子書籍ストアの日本語コンテンツ数も見ておこう。「Lideo」が一番多く、次いで、「kobo glo」と「Reader」が同程度となっている。「Kindle Paperwhite」は、日本語ストアが開設されるのがもっとも遅かったため、現時点で約50,000冊ともっとも少なくなっている。

・カラーバリエーション

カラーバリエーションでは、「kobo glo」が4色ともっとも豊富だ。「Reader」はカラーバリエーションが3色であり、「Kindle Paperwhite」、「Lideo」は黒1色のみとやや淋しい。いつも持ち運ぶアイテムとなるため、見た目にもこだわりたい人にとっては、「kobo glo」の4色展開は注目ポイントと言える。

・その他

その他の注目点としては、楽天の「kobo glo」の場合、端末自体の購入はもちろん、書籍を買っていくごとに「楽天ポイント」を貯めることが可能だ。さらに、11月30日(金)まで、楽天koboでは「スーパー読書まつり」が開催されており、最大20倍のポイントが付与されることとなっている。オンラインショッピングモールの「楽天市場」で買い物をする機会が多い人など、楽天ポイントを貯めているなら、この機会に今まで読みたいと思っていた電子書籍を探してみるのもよいかもしれない。

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各社の新商品投入により、注目度が増している電子書籍端末市場。各ストアで発売されている電子書籍の点数も充実してきており、いよいよ今年が電子書籍元年となりそうだ。楽天の「kobo Touch」が切り開いた低価格端末の登場により、これまで電子書籍に触れて来なかった人でも、電子書籍を体験することへのハードルはかなり低くなっている。自分に合った端末や電子書籍ストアを見つけ、電子書籍のある生活への第一歩を踏み出してみてはいかがだろうか。