オンライン・アプリケーションのモニタリングサービスを提供するNew Relicは11月6日(米国時間)、「Browser Wars」と題した各機種各ブラウザごとのレスポンス測定やシェア測定の集計結果を発表した。WindowsではIE10が有利な一方で、全体ではChromeがレスポンス速度上位に位置しており、特にLinuxやMacで高速な傾向があるなど、非常に興味深い結果となっている。

New Relicによれば、現在同社は70万のWebアプリケーションを対象に、1分間に100万、1カ月間で400億のページビューをモニタリングしており、この集計結果として得たデータを「Browser Wars」と題して定期的に報告している。同社はオンライン・アプリケーションを提供する開発者向けのモニタリングサービスを提供しており、Browser Warsはそのデータの一部を有益な形でフィードバックするものとして機能している。例えばオンライン・アプリケーション開発時にターゲットとなる人気ブラウザやシェアを見定めたり、エンドユーザー側が実際にどのブラウザ環境でどの程度のレスポンス速度を持っているのかを把握したりといった具合だ。

今回の集計結果の詳細はNew RelicのBlogのグラフを参照いただくとして、そのハイライトを紹介しよう。

WindowsではIE10が最速、だが全体的にはMac/Linuxが優位

プラットフォームごとに最速ブラウザを10個並べたランキングでは、Windows環境のトップがIE10、次いでIE9、以降はFirefox、Safari、Chrome、Operaが順に並ぶなど、IE10が頭1つ抜けている以外は比較的接戦状態となっている。一方Macでは、上位にChromeの各バージョンが並び、それにFirefoxが続く形になるなど、ブラウザごとの序列が比較的はっきりしている。

さらに興味深いのは、レスポンス速度の面でMacの上位陣のブラウザのほうがWindowsのそれよりも高速で、IE10と比べてもMacのトップ10のほうが全体に速い数字が出ている。これが顕著に出るのがノートPCならびにデスクトップPC全体の集計結果で、IE10はランキング8位だ。このランキングの上位ではMac系ブラウザが上位を占めているが、ランキングのトップはLinux向けのChrome 19で、Linux+Chromeが圧倒的に速い数字を出しているあたりが面白い。

モバイルブラウザでは全体にOpera Miniが高速だが、最速はBlackBerry 5となっている。これらのモバイルブラウザはサーバサイドで動作する仕様であるため、一般的なPCブラウザとの速度の単純比較はできない。参考程度にとどめておくといいだろう。

WindowsのシェアはChromeがトップ、MacはSafariが圧倒的

プラットフォームごとのブラウザシェアは、WindowsではトップがChromeの41%、2位がIEの35%、Firefoxが21%、Operaが2%と続く。MacではSafariが61%と圧倒的で、Chromeが21%、Firefoxが18%となっている。PC系プラットフォーム全体ではChromeが39%、IEが31%、Firefoxが21%となり、おおむねWindowsでのシェアがそのまま反映されたデータとなった。モバイルプラットフォームではSafariが87%と圧倒的で、次いでOperaが6%、IEが4%となっている。モバイルでのSafariはiPhoneやiPadといったiOSデバイスのユーザーだとみられ、これら層でモバイルでのWebブラウザによる閲覧がよく行われていることを示している。