IEE802.11ac技術を採用した無線LANルータと無線LAN子機

バッファローのIEEE802.11ac技術採用製品は、無線LANルータの「WZR-D1100H」と無線LAN子機となる「WLI-H4-D600」の2つがあり、両者をセットにしたパッケージも販売されている。WZR-D1100Hに、従来のIEEE802.11n対応端末を接続することは可能だが、その場合の伝送速度は最大450Mbpsとなり、最大600Mbpsでの無線通信を行うにはWLI-H4-D600が必要となる。WLI-H4-D600は、有線LANしか持たない機器を無線LAN化する、いわゆるイーサネットコンバータとも呼ばれるデバイスだ。

まず、WLR-D1100HとWLI-H4-D600の外観から見ていこう。一般的に、無線LANルータは有線LANハブ機能なども備えているため、やや大型の筐体を採用しているのに対し、無線LAN子機は小型の筐体を採用していることが多い。WLR-D1100HとWLI-H4-D600の場合は、両製品とも同じ筐体を採用しており、ぱっと見ただけでは区別がつきにくい。

無線LANルータ「WZR-D1100H」の前面。AOSSボタンやワイヤレスLED、インターネットアクセスLED、ルータLEDなどがある。横幅は34mmとスリムだ

WZR-D1100Hの側面。横から見ると正方形に近い

WZR-D1100の背面。上から、ルータ機能のON/OFFスイッチ、USBイジェクトボタン、有線LAN端子×4、インターネット接続(WAN)端子、ON/OFFスイッチ、電源端子

縦置き時の幅は34mmとかなりスリムであり、狭いスペースにも設置しやすい。また、MIMOを採用するIEEE802.11n対応無線LANルータでは、筐体から複数のアンテナが外に出ている製品も多いが、WLR-D1100H(WLI-H4-D600も)では、筐体内にアンテナが内蔵されており、外観が非常にすっきりしていることも高く評価できる。

無線LAN子機「WLI-H4-D600」の前面。無線LANルータと外観はそっくりだが、LEDが異なり、ワイヤレスLED、5GHzランプとなっている

WLI-H4-D600の側面。筐体は基本的にWZR-D1100Hと同じで、アンテナ内蔵ですっきりとしたデザインだ

WLI-H4-D600の背面。上から、5GHz固定モードボタン、有線LAN端子×4、ON/OFFスイッチ、電源端子

WZR-D1100Hは、1000BASE-T対応の4ポートのスイッチングハブ機能を備えているほか、USB端子も備えており、USB接続のHDDやUSBメモリを簡易NASとして使うことも可能だ。また、接続したHDDに保存されている動画や音楽、写真ファイルを、ネットワーク対応テレビなどから楽しめるメディアサーバ機能も搭載するなど、無線LANルータのトレンド的な機能は一通り備えている。

左が無線LANルータ「WZR-D1100H」、右が無線LAN子機「WLI-H4-D600」

WZR-D1100Hの電源を入れたところ。下のバッファローロゴは、電源と診断LEDをかねている

WLI-H4-D600の電源を入れたところ

無線LAN機能は、5GHz帯と2.4GHz帯の同時通信に対応している。IEEE802.11ac技術を採用した最大600Mbpsでの通信は5GHz帯に限られるが、2.4GHz帯もIEEE802.11n対応で最大450Mbpsでの通信が可能だ。

両製品とも同じACアダプタが使われている。ACアダプタのACプラグ部分は交換できる構造

WLI-H4-D600も、1000BASE-T対応のLANポートを4ポート備えており、一度に複数の機器を無線LANネットワークに接続したい場合に便利だ。例えば、リビングのテレビのそばに置いて、テレビとBDレコーダーとゲーム機を無線LANネットワークに接続するといった使い方が考えられる。

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