高エネルギー加速器研究機構(KEK)は10月2日、素粒子、原子核、物性物理等の理論的研究における大規模シミュレーション、加速器の設計・運転に関わるシミュレーションの実施のために用いているスーパーコンピュータ(スパコン)システムの総論理演算性能が1PFlopsを超えたことを発表した。

同システムは日立製作所の「SR16000モデルM1」で構成されるシステムAと、IBMの「Blue Gene/Q」で構成されるシステムBの2つのシステムを組み合わせたもので、今回、計画していたすべての装置の稼働が開始となったことから、システムBの総論理演算性能が1PFlopsを超えたこととなったという。

KEKで用いられているスパコンシステムの論理演算性能の変遷は、1989年に1GFlopsを超え、2000年に1TFlopsを突破。そして今年、ついに1PFlopsを突破したことで、12年ごとに1000倍のスピードアップを実現してきたこととなる。

なお、Top500と並んで発表されるスパコンの1Wあたりの計算量を比較した省エネ・ランキングにおいて同システムは2012年6月のランキングにて、20億9914万Flops/Wで12位を獲得しているという。

KEKでは今後、同スパコンシステムを活用することにより、加速器実験と数値シミュレーションの連携による素粒子物理学、原子核物理学などのさまざまな分野の進展が期待できるとしている。

KEKのシステムB「BlueGene/Q」

スーパーコンピュータの性能推移