ナナオは24日、グラフィック向けの液晶ディスプレイ「ColorEdge」シリーズの新製品として、プロ向けの24.1型ハイエンド「ColorEdge CG246」、24.1型ミドルレンジ「ColorEdge CX240」、23型エントリー「ColorEdge CS230」の3モデルを発表した。8月8日より順次発売し、価格はオープン。

ColorEdgeシリーズのラインナップを再構築。従来のColorEdgeシリーズはプロ向けの最上位「ColorEdge CG」シリーズとなり、ColorEdgeシリーズに匹敵する性能を備えていたFlexScan SXシリーズがミドルレンジの「ColorEdge CX」シリーズとなった。さらに、クリエイティブワークを楽しむ一般ユーザー向けのエントリークラス「ColorEdge CS」シリーズが新設された。

今回の新モデル群から、保証内容も強化。本体と液晶パネルの保証が5年間/30,000時間以内、輝度の保証が5年間/10,000時間以内(ColorEdge CGシリーズのみ)となった。

「ColorEdge CG246」

「ColorEdge CG246」

最上位の「ColorEdge CG」シリーズは、厳密な色管理を必要とするプロフェッショナル向け。新モデルの「ColorEdge CG246」はハードウェアキャリブレーションに対応し、本体にキャリブレーションセンサーを内蔵。付属のカラーキャリブレーションツール「ColorNavigator」と合わせて、定期的なキャリブレーション(白色点/輝度/色域)を定期的(月/週/使用時間)に自動で行うことができる。PCの電源がオフでも自動キャリブレーションが行え、調整の目標値は4通りまで管理可能。プリセットのカラーモードは、sRGB、Adobe RGB、EBU、Rec709、SMPTE-C、DCIなど(そのほかCustomモードとCalibrationモードを装備)。遮光フードも付属し、直販サイト「EIZOダイレクト」の価格は159,800円。9月11日より発売する。

新モデルでは、本体の電源を入れてから画面の輝度と色度が安定するまでの時間を短縮。従来比で約4分の1となる約7分で、画面の色調が安定する。また、画面全体の表示ムラを低減するデジタルユニフォミティ補正回路が進化し、従来では表示ムラが見えやすかった4000Kほどの低い色温度でも、ほぼ均一な表示が可能となった。

新しくなったデジタルユニフォミティ補正回路。低い色温度でも画面の表示ムラを低減する

従来機と比べて黒の締まりが向上しているほか、新たにI/P変換(インタレース/プログレッシブ変換)、1080/24pに対応するようになった。そのほか、3Dルックアップテーブル、10bit表示(対応グラフィックスカードが必要)、デバイスエミュレーションなど、ColorEdgeシリーズの高度な機能を踏襲する。

従来モデルと比較して、斜めから見たときの黒の締まりが向上

液晶パネルはIPS方式で、画面サイズは24.1型、解像度が1,920×1,200ドット、画面がノングレア(非光沢)、光源が広色域LEDバックライト。輝度は300cd/平方メートル、コントラスト比は1,000:1、視野角は水平/垂直とも178度、応答速度は7.7ms(中間階調)。色域はAdobe RGBカバー率が97%、NTSC比が101%。

映像入力インタフェースはすべてHDCP対応で、DVI-I、HDMI、DisplayPortの3系統(DVI-IではDVI-Dケーブルでデジタル接続したときにHDCP対応となる)。USBハブ×2ポートを備え、PCと接続するUSBアップストリームポートも2基を搭載する。スタンド機能は、チルトが上30度、スウィーベルが左右344度、高さ調節が128mm、ピボット(縦回転)。本体サイズはW575×D245.5×H417~545mm、重量は約9.9kg。

「ColorEdge CX240」

「ColorEdge CX240」

ミドルレンジの「ColorEdge CX」は、常に正確な色表示を必要とするプロ現場、ハイアマチュアなどに向けたシリーズ。従来の「FlexScan SX」シリーズの後継となる。新モデルの「ColorEdge CX240」には、バンドル物の内容によって3種類のタイプを用意。バンドル物および直販価格は、本体のみとなる「ColorEdge CX240」が94,800円、キャリブレーションツール「ColorNavigator」が付属する「ColorEdge CX240-CN」が99,800円、専用キャリブレーションセンサーとColorNavigatorが付属する「ColorEdge CX240-CNX」が104,800円。8月8日より発売する。

ハードウェアキャリブレーションには外付けのキャリブレーションセンサーが必要だが、本体にはコレクションセンサーを内蔵。外付けのキャリブレーションセンサーで測定した調整目標に沿って、白色点と輝度を定期的に保持する表示補正を自動で行える。自動調整のタイミングは使用経過時間で設定でき、PCの電源がオフでも自動実行が可能。調整目標の管理は4つまで。

そのほか「ColorEdge CG246」と比較して省かれているのは、遮光フード(オプションで用意)、3Dルックアップテーブルを利用したエミュレーション機能、デバイスエミュレーション機能など。画面モードは、User1 / User2 / User3 / Paper / Adobe RGB / sRGB / Calibrationの7通り。主な仕様は「ColorEdge CG246」とほぼ共通だが、重量が約9.8kgとなる。

「ColorEdge CS230」

「ColorEdge CS230」

エントリークラスの「ColorEdge CS」は、写真やイラストといったクリエイティブワークを楽しむユーザー向けに、コストパフォーマンスと基本性能をバランスしたシリーズ。新モデルの「ColorEdge CS230」は、上記「ColorEdge CX240」同様に、バンドル物の内容で3タイプを用意。本体のみの「ColorEdge CS230」、キャリブレーションツール「ColorNavigator」が付属する「ColorEdge CS230-CN」、専用キャリブレーションセンサーとColorNavigatorが付属する「ColorEdge CS230-CNX」。2012年の年末に発売予定で、発表時点で価格は未定となっている。

上位モデルの「ColorEdge CX240」と同じく、コレクションセンサーを内蔵。外付けのキャリブレーションセンサーと組み合わせたキャリブレーション管理に対応する。ただし、I/P変換、輝度/色度の高速安定や新型デジタルユニフォミティ補正回路などは搭載しない(従来型のデジタルユニフォミティ補正回路を搭載)。画面モードはUser1 / User2 / User3 / Paper / sRGB / Calibrationの6通り。

主な仕様は、液晶パネルがIPS方式、光源が白色LEDバックライト、画面サイズが23型、解像度が1,920×1,080ドット、画面がノングレア(非光沢)。輝度は300cd/平方メートル、コントラスト比は1,000:1、視野角は水平/垂直とも178度、応答速度は10.5ms(中間階調)、色域はsRGB相当。

映像入力インタフェース、USBハブ、スタンドの機能は、上位モデルに準ずる。本体サイズはW544×D245.5×H372.5~526.5mm、重量は約7.5kg。

オプション製品も充実

「ColorEdge CX240」に対応する遮光フード「CH7」

「ColorEdge CX240」と「ColorEdge CS230」には遮光フードが付属しないが、別売のアクセサリとして提供。価格は「ColorEdge CX240」用と「ColorEdge CS230」用とも19,800円。

そのほか、5000Kの高演色蛍光管を採用したEIZOオリジナル蛍光灯スタンド、キャリブレーションツール「ColorNavigator」のライセンスパックを用意している。前者は2012年8月末の発売予定で、価格は未定。後者は直販サイトのみの販売となり、価格は未定。