ケンコー・トキナー「AT-X 17-35 F4 PRO FX」は、キヤノンおよびニコンのデジタル一眼に対応した広角ズームレンズだ。非球面レンズや超低分散ガラスを組み込むことで、フルサイズの撮像素子をカバーしながらも、小型軽量設計を実現。その写りや使い勝手はどうなのか、実写レビューをお伝えしよう。
[製品名] AT-X 17-35 F4 PRO FX [焦点距離] 17-35mm [フィルターサイズ] 82mm [明るさ] F4 [最短撮影距離] 0.28m [サイズ] 直径89mm×全長約94.5mm [重量] 約600g
最近は、キヤノン「EOS 5D Mark III」やニコン「D800」が売れ筋ランキングの上位に位置するなど、フルサイズのデジタル一眼レフ機が人気を集めている。フルサイズの高画素センサーが生み出す、高精細で低ノイズな画質をいったん体験すると、小さなセンサーのカメラにはもう戻れない、と感じる人もいるだろう。
そんなフルサイズの一眼ユーザーに最適なレンズのひとつが、昨年発売されたケンコー・トキナーの広角ズーム「AT-X 17-35 F4 PRO FX」である。焦点距離は17~35mmで、開放値はズーム全域でF4に対応。マウントはキヤノン用とニコン用が発売中だ。今回は、キヤノン用を「EOS 5D Mark III」に装着して試用してみた。
ちなみに、ケンコー・トキナーのフルサイズ向け広角ズームといえば、実はもう1本、「AT-X 16-28 F2.8 PRO FX」という製品が2010年から発売されている。ズーム全域でF2.8を実現した大口径の広角ズームである。この先行モデルに比べた場合、「AT-X 17-35 F4 PRO FX」は開放値が1段暗くなり、ワイド端の焦点距離が1mm長くなるが、その代わり、レンズのサイズと重量が一回り以上小さく軽くなっている。
テレ端が焦点距離35mmに対応することや、レンズ前面に82mm径のフィルターを装着できることも、この「AT-X 17-35 F4 PRO FX」のアドバンテージだ。つまり、レンズのサイズや重量を気にせずに明るさを重視するなら「AT-X 16-28 F2.8 PRO FX」、携帯性と使い勝手を優先するなら「AT-X 17-35 F4 PRO FX」という選択になるだろう。
「AT-X 17-35 F4 PRO FX」の全長は約94.5mmで、重量は約600g。フルサイズ対応の広角ズームとしては比較的コンパクトで、「EOS 5D Mark III」に取り付けた場合のバランスもいい。外装は防塵・防滴に配慮した設計で、高品位な質感と適度な剛性感が感じられる。