米Appleは次期iPhoneの中で「In-cell (インセル)」と呼ばれる新しいディスプレイ技術を採用する計画だという。これにより、ディスプレイの厚みが従来より薄くなるほか、画質向上も期待できるという。同件は、米Wall Street Journalが7月16日(現地時間)に関係者の話として報じている。
液晶ディスプレイにタッチスクリーン機能を実装する場合、「In-cell」と「On-cell (オンセル)」の主に2種類の方式があり、現在多くのタッチスクリーンは後者のOn-cellを利用している。これは液晶パネルと表面のガラススクリーンの間にタッチセンサーとなるパネルを挟み込む方式で、製造が容易な反面、液晶ディスプレイへの映り込みによる特に屋外での視認性低下という問題があった。In-cell技術ではガラス面と液晶パネルが直に接することでこうした問題を回避できるうえ、On-cell方式よりも薄型化できるメリットがある。一方で歩留まりなどの問題があり、今回iPhoneでこうした技術を採用したことは、一定の技術的ハードルを越えたことを意味する。また、従来までは液晶パネルとタッチスクリーンで2種類のサプライヤを必要としていたものが、今後は1つのサプライヤからの調達で済むというメリットもあるようだ。
WSJによれば、現在同社向けIn-cellディスプレイパネルのサプライヤとしては、シャープ、ジャパンディスプレイ(JDI)、そしてLG Displayの3社が挙がっているという。一方で新型iPadにパネルを供給しているSamsungは含まれていない。