無線LAN機能内蔵SDHCカード「Eye-Fi Mobile X2 4GB for ドコモ」

写真をTwitterやFacebookにアップロードする際、あるいは友人にメール添付で送る際に、これまで妥協してきたことがある。それは他ならぬ、写真の出来に関してだ。たしかにスマートフォンのカメラは進化した。でも、まだ(ズーム機能などを含め)デジタルカメラの性能には追いついていないのが現状。できれば写真はデジカメで撮りたい……。しかし、デジカメで撮った写真をスマートフォンに取り込むには SDカードの入れ替え作業などがあり、正直面倒くさい。なので、結局妥協してスマートフォンで写真を撮ってきたわけだ。

本レビュー記事は、Android情報を専門に取り扱う僚誌「AndroWire」の連載『自腹ガジェット道場』を再構成したものです。

そこで役に立つのが、本稿で紹介する「Eye-Fi Mobile X2 4GB for ドコモ」という製品である。これを使えばデジカメで写真を撮りながら、同時にその写真をスマートフォンでも共有することができるようになるのだ。本製品に対応しているカメラはEye-FiジャパンのWebサイトから確認できる。ちなみに筆者の持っている一番古いデジカメ「IXY DIGITAL 910 IS」(キヤノン製、2007年発売)でも何の問題もなく使えた。

Eye-Fi Mobile X2 4GB for ドコモのパッケージ

同梱されるのはEye-Fi X2カード(本製品)、スタートカード、パソコン用USBカードリーダー、かんたん設定ガイド for ドコモ

5年前のコンパクトデジカメでも利用可能だった(写真右)。購入前に、手持ちのデジカメが本製品に対応しているかどうかHPで確かめよう

設定はとても簡単!!

デジカメからスマートフォンへ、データを転送する機能は「ダイレクトモード」と呼ばれる。これはEye-Fiカードがアクセスポイント(親機)、スマートフォンがクライアント(子機)となって直接Wi-Fi通信を行うというもの。周囲の無線環境には依存しないので、いつでもどこでも使用することができる。

加えて本製品では、パソコンなしで初期設定ができる新機能「スマホかんたん設定」に対応した。これにより、Androidスマートフォンさえあればすぐに設定できる。設定方法は、はじめにGoogle Playから「Eye-Fiアプリ」をダウンロードし、次に「スタートカード」に記載されたQRコードを読み取り、最後にメールアドレスとパスワードを入力するだけ。わずか3ステップで利用を開始できる手軽さだ。

スタートカードの裏面に記載されたQRコードを読み取るか、10桁の認証キーを入力することで簡単に設定できる(写真中)

メニューからはEye-Fiアプリの設定がカスタマイズできる。困ったときは、まずFAQ:よくある質問を閲覧してみよう

デジカメとスマホの挙動

設定が完了するとスマートフォンのWi-Fiネットワークに「Eye-Fi Card *」というSSIDが表示されるので、これに接続してペアリングを行う。カメラ側で設定することはひとつもない。Eye-Fi X2カードを挿入して写真を撮るだけだ。本製品はClass 6のスピードに対応しているので、一眼レフの連写もこれまで通り利用できる。写真データは撮影の合間、つまりデジカメがアイドリング状態のときに1枚1枚、スマホに送信されるようになっている。スマホのEye-Fiアプリを開けば、現在どの写真が送信中であるか確認することができる。

撮影だけ先に済ませて、後からまとめて写真データをスマホへ送信する使い方も可能だ。参考までに筆者の環境では、1分間に20枚前後の写真を送ることができた。このスピードは、写真のデータ容量で前後してくる。送られる写真は重複しないようになっており、途中で作業を中断しても、次回はその続きから送信される。このあたりも使い勝手がよく考えられている。

写真はスマートフォンの「Eye-Fi」フォルダ内に保存される。あとはTwitterやFacebookにアップロードするなり、メール添付で人に送るなり自由だ。「Instagram」や「PhotoFunia」、「Photo Art」など特殊エフェクトをかけられるAnrdroidアプリを使って写真の加工にチャレンジしても面白いだろう。

デジカメで撮影した写真(写真左)を、Instagramで加工した例(写真右)

「PhotoFunia」(写真左)と「Photo Art」(写真右)を使って加工した例。元の写真のクオリティが高ければ、エフェクトも活きてくる

写真データは、スマートフォンから自動的に「Eye-Fi Center」と呼ばれるクラウドサービスへもアップロードされる。PCやタブレット端末など、他のデバイスで写真を共有したいときは、ブラウザからこのEye-Fi Centerにアクセスしログインすれば、アップロードした写真データの閲覧やダウンロードなどが行える。なお、Eye-Fi Centerに保存される期間はデフォルトで1週間となっている(有効期限が延びる「Eye-Fi Premium」というコースが有料で用意されている)。

Eye-Fi Centerの利用イメージ。PCやiPadなど他のデバイスからもアクセス可能

写真のダウンロードやSNS共有、メール添付などの操作が行える(写真左)。また、flickrやPiacasaなどオンライン共有サービスへ写真をアップロードすることもできる

筆者はこのEye-Fi X2カードを手にしてから、写真の楽しみ方が広がった。スマートフォンにはエフェクトをかけられるAndroidアプリを追加でいくつもインストールしたし、デジカメでの撮影機会は3倍ほど増加したように思う。Androidスマートフォンユーザーでデジタルカメラが好きな人には、強くオススメしたい製品だ。

一年に数回、一度手にするとそれ以降手放せなくなるエポックメイキングな製品との出会いがある。このEye-Fi X2カードとの出会いも、まさにそれだった。

(記事提供: AndroWire編集部)