米Appleの開発者向けカンファレンス「WWDC 2012」の基調講演レポート、最後の3本目でご紹介するのはiOSの最新バージョン「iOS 6」のプレビューを行ったScott Forstall氏によるプレゼンテーションの内容だ。リリース予定が今秋とのことでユーザーがその新機能を経験できるのは少し先のことになるが、さまざまな新機能が公開されている。

【レポート】WWDC 2012 - 噂どおりにRetina搭載MacBook Proが登場」「【レポート】WWDC 2012 - iCloud連携強化など、iOSの機能を積極的に取り込んだMountain Lion」も合わせてお読みください。

ユーザー満足度が高く、新機能の利用も盛んなiOS 5

Phillip Schiller氏によるMac製品のアップデートの紹介Craig Federighi氏によるOS X Mountain Lionのプレビューに続く3番目のトピックとして発表されたのが、iPhone、iPadの向けの最新OSである「iOS 6」だ。スピーカーはiOS担当のScott Forstall氏。

同氏からは最初に、iOSデバイスが今年3月までに3億6500万台販売されたことが紹介された。その内、8割以上のユーザーが最新の「iOS 5」を利用しているという。一方で、会場のスクリーンにはAndroidの状況もグラフで表示された。Forstall氏は数字こそ明らかにしなかったものの、Android 4.0のユーザーの割合は非常に小さく、主流がAndroid 2.3になっていることが分かる。

iOSデバイスの販売台数は3億6,500万台を超えた

プラットフォームごとのバージョン別普及状況。iOSは最新のiOS 5への移行したユーザーが多い

そしてiOS 5では、15兆の通知が発生しており、iMessegeも1日に10億通がやり取りされるなど、搭載する各機能の利用も活発だという。TwitterにはiOS 5からのツイートが100億あり、写真の47%がiOS 5からの投稿。Forstall氏は、こうした結果が約75%というユーザー満足度につながっているとした。このユーザー満足度については、AndroidやWindows Phone、BlackBerryがすべて50%を下回っているというデータも披露された。

iOS 5の機能の利用度合いの高さを示すデータをいくつか紹介。通知は1日70億件が発生している

メッセージは1日に10億通

Twitterへの写真投稿は47%がiOS 5から

Game Centerは1億3,000万アカウント、上位100ゲームタイトルのうち67本が対応している

他のプラットフォームに比べ、顧客満足度も非常に高いという

Siriが機能を拡張、iPadへも対応

iOS 6にも、200を超える新機能が搭載された

新たに登場するiOS 6にも200を超える新機能があるといい、キーノートでは、特徴的なものだけが中心に紹介された。

最初にフォーカスされたのは、音声エージェントの「Siri」に加わった新機能。デモでは、ジャイアンツとレンジャーズの試合結果を表示したり、メジャーリーグ選手のデータを表示したりいった機能が紹介された。また、近辺のレストランや、映画館で上映中のタイトルを調べる検索や、アプリの起動も可能になる。

Siriで行える検索の種類が大幅に広がった

メジャーリーグの試合結果を検索

NBA選手、レブロン・ジェームズのパーソナルデータも調べられる

近辺のレストラン情報

上映中の映画も検索可能

さらに「Eyes Free」と呼ばれるSiriの新機能では、車と連動し、ハンドルに設置されたボタンを押してSiriと会話できる。BMW、ベンツ、ホンダ、トヨタなどの車に、このEyes Freeが搭載される見込みだ。韓国語や広東語、北京語などに、対応言語も拡大する。iPadへの対応も新たなトピックといえるだろう。

"Eyes Free"と呼ばれる、車と連携する新機能

Eyes Freeに対応する自動車メーカーも紹介された

Siriは対応国・言語とも、一気に拡大される見込み

さらにiPadでもSiriが利用できるようになる

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