事実上のRC(製品候補)版となるWindows 8 Release Previewが登場するまで二週間程度となったが、同版ではこれまで発表されつつもWindows 8 Consumer Previewでは実現していない機能が実装されている。Building Windows 8に掲載された、ペアレンタルコントロールとマルチディスプレイ機能に関する機能強化情報は、地味ながらも今後Windows 8を使用する上で重要な情報だ。今週もMicrosoftの各公式ブログに掲載された記事を元に、Windows 8に関する最新動向をお送りする。

Windows 8レポート集

Windows 8でもサポートするペアレンタルコントロール

私事で恐縮だが、Windows Liveファミリー セーフティは愛用ツールの一つだ。我が家では家族用のデスクトップコンピューターを一台用意し、それを三人の愚息が争って使っているため、必然的に各人が使用可能な時間を制限しなければならない。そこで使用したのが前述のツールである。当初はWindows Vistaが備える「保護者による制限」だったが、Microsoftアカウント(旧Windows Live ID)の需要が高まることで、Windows Liveへと機能移行した。

Windows OSからWindows Liveへ移行することで、機能拡張も自由に行われるようになり、最近では使用時間の上限を設定する機能も追加されるなど、利便性はますます高まっている。2006年あたりから始まったWindows Liveファミリーセーフティだが、Windows Liveというブランドを廃しながらも、Webサービス/アプリケーションとの連動性を高めるWindows 8でも、同様の仕組みが用意されるようだ(図01~02)。

図01 Windows 7の「保護者による制限」でも、プロバイダーとして「Windows Liveファミリーセーフティ」が使用されている

図02 「Windows Liveファミリーセーフティ」に加わった使用時間の上限設定。一日に使用できる時間を15分単位で設定できる

ペアレンタルコントロールの有効化も簡単。ユーザーアカウントを追加する際に用意された項目へチェックを入れるだけだ。Windows 8 Consumer Previewで確認したが、同項目が用意されるのは2012年6月第1週に公開予定のWindows 8 Release Previewからのサポートとなる。

同機能を有効にすると、子どもが使用したコンピューターの使用状況をまとめた電子メールが送られるのは、現Windows Liveファミリーセーフティと同じ。ただし、コンピューターの使用時間がグラフ表示され、Windows Storeからダウンロードしたアプリケーション名などが確認できた。Windows 8 Release PreviewにあわせてWindows Live側の機能も拡張するのだろう(図03~05)。

図03 ユーザーアカウント作成時にペアレンタルコントロールを有効にするオプション項目が用意されている(画像は公式ブログの動画より)

図04 ペアレンタルコントロールを有効にしたユーザーアカウントの使用状況は、電子メールで送られてくる(画像は公式ブログの動画より)

図05 こちらはWindows Liveファミリーセーフティのレポート内容。動画を確認する限り大差はないようだ(画像は公式ブログの動画より)

公式ブログの動画では、前述した制限時間に迫った際の動作も紹介されており、制限時間15分前になるとMetroデスクトップにメッセージが現れる。ここで<Get more time>ボタンを押すと管理者に何らかの通知が行われるようだが、そこまでは示されていないため詳細は不明。制限時間が来ると、強制的にログアウトされる仕組みだ(図06~07)。

図06 制限時間15分前になると現れるメッセージ。管理者に時間延長を求めることも可能なようだ(画像は公式ブログの動画より)

図07 制限時間が来ると強制的にログアウトが実行される。時間延長以外にもユーザーの切り替え機能が用意されている(画像は公式ブログの動画より)

現Windows Live ファミリーセーフティで大半の機能が実現しているため、目新しさは感じないものの、Windows 8でもペアレンタルコントロール機能がサポートされているのが明確になったのは大きい。家族用のコンピューターをWindows 8に移行させるか否かはともかく、アップグレードの障壁がまた一つ取り除かれた。