さらに、メールや電話帳、スケジュール、動画、音楽、ドキュメントなどのユーザー情報のマッチングとレコメンドにより、ユーザーの嗜好に合わせたサービスを提供する「パーソナル」クラウドを準備。ネットワークや端末を問わず、提供できるようにしていきたい考えだ。

パーソナルサービスを提供していく

複数回にわたって発生した障害の反省から、ネットワークの基盤強化も続けており、すでにいくつかの対策をすませたが、さらに今期も300億円を投じて強化を行う。重要設備の分散化も継続するが、震災復旧などの費用がなくなることから、設備投資額は前期並みの7,350億円に抑える計画。

ネットワーク基盤強化に向けた取り組みで、さらに投資を続け、スマートフォンが5,000万台に達しても耐えうるネットワークにする

災害対策の推進も行う

Xiエリアの展開もさらに強化。今期中に1,700億円を投じて基地局は約21,000局まで拡大、人口カバー率は当初計画の40%を上回る約70%、全国政令指定都市での人口カバー率100%を目指す。さらに、現在2GHz帯で提供されているXiについて、第3四半期には800MHz/1.5GHz帯でも提供。一部地域では1.5GHz帯を使って下り112.5Mbpsの高速サービスを提供する。14年度中には人口カバー率約98%まで広げる計画だ。

設備投資の計画

Xiエリアとスピードをさらに強化する

このXiと同様のLTEサービスは、今期中にKDDIもソフトバンクも開始する予定。また、イー・アクセスも加わり、いよいよ4社での競争が始まる。

KDDIは、秋口にもLTEサービスをスタート。800MHz帯/1.5GHz帯に加え、2GHz帯でも展開を予定しており、当初の12月スタートから前倒しする。下り速度は最大75Mbpsになり、今期中に実人口カバー率は98%に達するという。設備投資は基地局ベースで800億円規模になる予定。

KDDIのLTE展開計画

ソフトバンクも、今秋にLTEサービスを提供。現在、「SoftBank 4G」のブランド名でTD-LTEサービスを提供しているが、他社と同じFDD-LTEでのサービスとなり、スマートフォン向けに月額5,985円の定額制で提供する。同社が「プラチナバンド」と強調する900MHz帯の新周波数帯を取得したため、一気に基地局へ投資を行う方針で、今期は6,000億円程度を投じる。

FDD-LTEサービスを秋から開始する

全体の設備投資は6,000億円規模

KDDIは、「3M戦略」にもとづき、さらに付加価値サービスを追加してARPUを向上させるほか、サービスに対応するデバイスを増やし、自社サービスを利用するユーザー層の拡大を狙う。特に中小企業を含む法人市場へもさらに食い込んでいきたい考えで、海外での収益拡大も目指す。

3M戦略を強化

ソフトバンクは、iPhone/iPadを中心としたスマートフォン、タブレットでのデータ利用拡大に加え、クラウドサービスを強化。M2M事業も強化するほか、「大変利益率が高い」(孫社長)というアクセサリビジネスも強化していく。

今期は、ドコモは営業収益が前年度比5%増の4兆4,500億円、営業利益は同2.9%増の9,000億円が目標。KDDIは営業収益が同0.2%増の3兆5,800億円、営業利益は同4.7%増の5,000億円を目指す。ソフトバンクは、営業利益は7,000億円を確実に上回るとみている。

ドコモの今期の予想

純増数やスマートフォン販売比率、FTTHの契約数をさらに伸ばし、収益の拡大を狙う

営業利益7,000億円突破は確実というソフトバンク

(記事提供: AndroWire編集部)