あくまでも噂レベルだが、今年5月後半から6月にかけての公開が予定されているWindows 8 Release Preview。事実上のRC(Release Candidate:製品候補)版となる同プレビューの登場は否応がなしに期待が膨らむが、その一方で興味深いのが既存OSのサポート期間である。つい昨日Windows Vistaのメインストリームサポートが終了し、同OSユーザーとしては今後使い続けるか否か、判断を強いられることだろう。今週はWindows OSのサポート期間に関して一度整理し、OSのアップグレードが必要な時期を再確認する。

Windows 8レポート

USB 3.0をサポートするWindows 8の開発進捗状況

Windows 8の新ユーザーインターフェースを見てみる

変化するWindows 8のファイル管理システム

仮想環境と互換性問題に対応するWindows 8

ネットワークとの親和性を高めるWindows 8ネットワークとの親和性を高めるWindows 8

ランチャースタイルを作り替えたWindows 8

メモリ管理を改良したWindows 8

世界を変える新入力デバイスと視認性を高めるWindows 8のタスクマネージャー

Metroスタイルアプリを支えるWNSとマルチコアサポートを強化するWindows 8

Windows Updateによる再起動を最小限に抑えるWindows 8

Kinect for Windowsの存在とWindows XPをサポートするWindows 8

大容量ディスクと大型セクターをサポートするWindows 8

Windows Storeの登場はWindows 8の成功につながるか

自動アップデートでInternet Explorerの更新をうながすMicrosoft

コンピューターとWebサイトのログオンシステムを強化するWindows 8

デスクトップコンピューター向け機能の強化が目覚ましいWindows 8

「Microsoft Flight」が無償提供、MicrosoftはPCゲーム黄金期を取り戻せるか?

次世代Windows OSで変化する無線ネットワーク環境とファイルシステム

Windows 8と今後のコンピューターに影響を与える「Windows Store」とセンサー機能

OSの使い勝手を左右し、重要な存在となる"エクスプローラー"改良ポイント - Windows 8レポート

アプリによる消費電力を抑えつつもバックグラウンド動作を実現する「Connected Standby」とWindows 8

メトロスタイルUIに対応するWindows 8のアクセシビリティ機能

言語パックの管理方法を変更しSkyDriveとの融合を実現するWindows 8

「Windows 8 Consumer Preview」で見るWindows 8の新機能

今試したいMetroアプリとMicrosoftの描くコンピューターの近未来

タッチ型コンピューターの登場が待ち遠しくなるMetroアプリ版IE10

Windows 8のシステム要件に含まれる「1366×768ピクセル」の理由

マルチタッチ型インターフェースを強化するWindows 8

Windows 8で新設されるIE10の起動オプション

Windows Vistaのメインストリームサポート終了

2012年4月10日をもって、Windows Vistaのメインストリームサポート期間が終了した。そもそもMicrosoftは製品発売日から一定期間をメインストリームサポートと称し、製品のフルサポートを行っている。コンシューマー(消費者)用製品は最低5年のメインストリームサポートを提供。その一方で、ビジネス用製品は仕様変更や新機能のリクエスト、無償サポートライセンスなどを廃した最低5年の延長サポートを提供している(詳しくは後述)。つまりビジネス製品は合計10年のサポートを受けることが可能だ。例外として毎年新しいバージョンをリリースしている製品は最低3年のメインストリームサポートが提供されるが、OSはこれに含まれないので除外していいだろう。

使用者としては少々複雑に感じさせるマイクロソフトサポートライフサイクルだが、これをより複雑にしているのが、サービスパックライフサイクルポリシーの存在だ。文字どおりService Pack(製品の不具合を改善するための修正プログラムを一つのパッケージ)に適用されるサポート方針だが、例えばService Pack 1がリリースされると、前バージョン当たるRTM(Release To Manufacturing:製造工程)版リリース日から1年もしくは2年のサポートが提供される。ただし、このサポート期間もしくは製品自体のサポートライフサイクル終了日のいずれかが先に訪れると、サービスパックライフサイクルポリシーも終了。修正プログラム類の提供などが停止する。

Windows Vistaを例にすれば、Service Pack 1は2008年2月24日にリリースされているが、次のService Pack 2が2009年4月29日にリリースされたため、Service Pack 1は約2年後の2011年7月12日に終了。今後、Windows Vista Service Pack 3がリリースされる可能性は乏しく、2年後の2013年7月にはサポート終了となるが、前述のとおりメインストリームサポート期間は終了しているため、Windows Vistaの終了日は2012年4月10日となる。ここから5年間の延長サポートが発生し、2017年04月11日まで修正プログラムは提供されるが、セキュリティ更新プログラム以外の提供は期待しない方が良い(図01)。

図01 Windows Vistaのサポートライフサイクル

ちなみにWindows XP Service Pack 3は2008年4月21日にリリースされているが、メインストリームサポートは2009年4月14日に終了し、延長サポートも5年後の2014年4月8日に終了。Windows 7はメインストリームサポートが2015年1月13日に終了し、2020年1月14日には延長サポートも終了する。

市場の需要供給で変化するサポート期間

図02 各Windows OSのサポート終了日

さて、前述のとおり同社はコンシューマー用製品のメインストリームサポート期間を5年、ビジネス用製品は5年の延長サポートを追加して合計10年と説明した。つまり、Windows Vista Home Premiumなどのコンシューマー向けエディションに延長サポート期間は適用されないのである。しかし同社は今年2月頃にクライアント向けWindows OSに対する製品サポートライフサイクルポリシーを一部変更し、コンシューマー向けエディションも延長サポートが適用されるようになった。あくまでもこの変更はWindows Vista、Windows 7に対する特例であり、Windows XPは2007年1月に延長を適用している(図02)。

このように市場の需要供給に応じて、マイクロソフトサポートライフサイクルは柔軟に変化しているのが現状だ。対象となるOSを使用している側としては、単純にサポート期間が延長されるのはありがたいものの、無用な混乱をまねている側面があることも否定できない。タブレット型コンピューター向け機能を主軸に置くWindows 8が大きく普及するか否か、この時点で判断するのは難しいものの、あと2年ですべてのサポートが終了するWindows XPユーザーはOSのアップグレードを考慮する時期に差し迫っている。

年末にはリリースされると言われているWindows 8も選択肢に含まれるが、操作体系が変わる可能性が高いため、Windows XPと同じUI(ユーザーインターフェース)を求めるのであれば、Service Pack 1もリリースされて安定性が増したWindows 7を選択するとよい。ユーザーの混乱も一番少ないだろう。ちなみにリボンUIを採用していないMicrosoft Office 2003のメインストリームサポートも2009年に終了し、延長サポートはWindows XPと同じ2014年1月14日なので、Microsoft WordやMicrosoft Excelを使用しているユーザーは、オフィススイートの選択も必要となるだろう。

阿久津良和(Cactus