富士フイルムの「X」シリーズの体感イベント「X-Night」が1月26日、渋谷にて開催された。昨春、衝撃的なデビューで話題をさらった「FUJIFILM X100」に加え、ズームレンズ搭載の小型機「FUJIFILM X10」、昨年末に登場したばかりの26倍ズーム機「FUJIFILM X-S1」に加え、発売を間近に控えた注目のミラーレス機「FUJIFILM X-Pro1」のタッチ&トライを実施。パーティーフロアのステージでは、DJプレイやダンスパフォーマンス、ファッションショーなどのエンターテインメントが繰り広げられ、大勢の来場者とともに熱気あふれるイベントとなった。
「初めて触った気がしない」というのが、X-Pro1を持った最初の感覚だ。指先が、そして手のひらが覚えている「写真を撮る感触」がすっと引き出されてくるのである。
それはコンパクトデジカメでメモ代わりに撮る気軽さでもなければ、一眼レフで作品を撮る気概とも違う。背広を着て久しぶりに家族と記念写真を撮るような、嬉しくて、照れくさくて、少し緊張して……そんな、まるでフィルムで大切な写真を撮るような感覚に近いかもしれない。「あぁ……写真を撮るときって、こんな気持ちだったよなぁ」と思わせるのだ。
カメラが持つビジュアルがそう感じさせる部分もあるだろう。X100譲りの本気(ガチ)でクラシカルなスタイリング。マグネシウムダイキャストのトップカバーには削り出しのモード&シャッター速度ダイヤル、埋め込みの露出補正ダイヤルも凝っていて上品な仕上がりだ。誇らしげな「Made in Japan」の刻印も、品質の安心感だけでなく、古き良き懐かしい時代を思わせる。
リアビュー。左側のファインダーアイピース右側にあるのはアイセンサー。各ボタンは散在しているように見えて、実は考えられた位置にある |
レンズを外したところ。1630万画素X-Trans CMOSセンサーが見える。ローパスフィルターなしで偽色やモアレをカットする新開発センサーだ |
だが、きっとそれだけではあるまい。昔ながらのレンズ側絞り環で行う絞り操作や、限りなく上質で心地よくいかにも「いいカメラで撮っている」と思わせてくれるシャッターフィーリング。そんな「撮る要素」も関係しているのだろう。そして、それらは社名にフイルムの名を冠す富士フイルムだからこそ大切にできるカメラの宝物なのだ。
もちろん、X-Pro1には、デジタルカメラとしても目を惹くものがある。詳しいスペックはリリース記事をご参照いただくとして、ここでは特に目にとまったポイントについて、いくつかご紹介しよう。