富士フイルムは26日、レンズ交換式デジタルカメラ「FUJIFILM X-Pro1」を発表した。発売は2月18日で、価格はオープン。推定市場価格は15万円前後となっている。

富士フイルム初のミラーレス機「FUJIFILM X-Pro1」

レフレックスミラーを廃した、いわゆる「ミラーレスカメラ」と呼ばれるタイプのレンズ交換式カメラ。同社は昨年10月の「FUJIFILM X10」の発表会で、2012年春のミラーレス市場参入を明言していた。

撮像素子は、粒子が不規則に並ぶ銀塩フィルムの構造をヒントに開発された「X-Trans CMOSセンサー」を搭載。一般的にデジタルカメラは縞模様を撮影する際にモアレなどが発生しやすいため、従来はレンズと撮像素子の間に光学ローパスフィルターを挟み込む手法が多く採られていた。だが本機では、撮像素子単独でモアレ低減が可能なX-Trans CMOSセンサーを搭載したことで、ローパスフィルターによる解像感低下を抑制している。

これによりX-Pro1では、センサーサイズがAPS-C(23.6×15.6mm)ながら、フルサイズセンサーに匹敵する解像感・低ノイズでの撮影が可能となった。なお、画像処理エンジンは、X-Trans CMOSセンサーから受けた信号処理に最適化された「EXRプロセッサーPro」が採用されている。

一方、マウントも新開発の「Xマウント」を採用した。レンズの後端(カメラ装着側)から撮像素子までの距離を17.7mmと可能な限り短くすることで、周辺光量の低下を抑制。撮影範囲のすみずみまで高い解像感を得られるようになっている。

ファインダーは「FUJIFILM X100」で採用していた「ハイブリッドビューファインダー」を進化させた「ハイブリッドマルチビューファインダー」を搭載。光学ファインダーと電子ビューファインダーを切り替えて利用可能だ。光学ファインダー利用時の倍率は、18mmレンズ装着時には0.37倍、35mm・60mmレンズ装着時には0.6倍と自動で切り替わる。撮影範囲フレーム視野率は約90%だ。電子ビューファインダーは、約144万ドット・視野率約100%の0.47型となっている。

その他の主な仕様は、撮像素子の有効画素数が1,630万画素で、静止画のほか1,920×1,080ドット(フルHD)動画の撮影も可能。対応感度は常用感度がISO200~ISO6400、拡張時の感度がISO100/ISO12800/ISO25600、背面モニターは約123万ドット・3型の液晶、利用可能な記録メディアはSD/SDHC/SDXCカード(UHS-I対応)だ。バッテリーはリチウムイオン充電池で、CIPA準拠の撮影枚数は約300枚。本体サイズはW139.5×D42.5×H81.8mm、重量は本体のみで約400g、バッテリーとSDカードを装着した状態で約450gとなっている。

同時発表のXマウント対応レンズ

同時発表された、Xマウント対応レンズ

X-Pro1の発表に合わせて、Xマウント対応レンズ「フジノンレンズ XF18mmF2 R」「フジノンレンズ XF35mmF1.4 R」「フジノンレンズ XF60mmF2.4 R Macro」も同時に発表されており、こちらも発売は2月18日。価格はいずれもオープンで、3製品とも推定市場価格は6万円前後となっている。いずれも固定単焦点レンズとなっており、35mmフィルム換算時の焦点距離と開放F値は、フジノンレンズ XF18mmF2 Rが27mm相当・F2.0、フジノンレンズ XF35mmF1.4 Rが53mm・F1.4、フジノンレンズ XF60mmF2.4 R Macroが91mm・F2.4だ。


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