台湾Digitimesの12月12日(現地時間)の報道によれば、次世代iPadが3~4カ月後にもリリースされる見込みだという。これはサプライチェーン筋からの情報で、製品の組み立てを行うOEMメーカーに対して、部品メーカーがすでに次世代機向けの部品発送を開始しているという。次世代iPadの製造そのものは1月から開始される見込みのようだ。
この報道によれば、部品・コンポーネントのサプライヤはiPad 2向けの生産を絞る一方で、前述のように次世代iPad (仮に「iPad 3」としておく)向けの部品の発送を開始しているという。iPad 2のOEM生産は2011年第4四半期のトータルで1,400~1,500万台程度とみられているが、これが2012年第1四半期には400~500万台程度まで急減するという。これは年末商戦が終了するからというだけでなく、もちろんiPad 3のローンチ準備のためだ。このほかDigitimesでは、OEMの1社であるFoxconn ElectronicsがiPad 3の生産を来年1月より開始し、2月に大量生産を見込んでいると、中国紙のCommercial Timesのレポートを紹介している。
一般にこうした情報は機密扱いとなっているが、昨今のiPadやiPhoneの販売好調を受けてAppleが製品の安定供給のためにサプライヤの数を増やしているため、サプライチェーンをたどることで以前よりも情報が漏洩しやすくなっているとみられる。
またDigitimesの報道と並行して、先週末には米CitigroupのアナリストRichard Gardner氏がiPad 3についてまとめたレポートが話題になっている。それによれば、iPad 3は来年2012年2月にローンチされる見込みで、従来モデルの2倍の解像度を持つ、いわゆる「Retina」なディスプレイを搭載することになるという。また、当初いわれていたようなディスプレイ等に起因する製造上の大きなトラブルは報告されておらず、供給が滞るようなケースはみられないとの予測だ。同氏はこのレポートについて、複数の情報筋からの話を基にしているという。
なお、2011年第4四半期のiPadの販売台数について、Gardner氏は1,200~1,300万台としている。一方Digitimesはサプライチェーン筋の話として2011年の最初の3四半期の販売台数が2,506万台で、これが2011年トータルで4,000万台を突破するとしている。つまりDigitimesではGardner氏の予測より若干多い1,500万台程度を第4四半期の販売台数として見込んでいることになる。
ちなみにDigitimesでは、2012年第1四半期におけるiPad 3の生産台数は950~980万台程度になると予測している。この数字と、先に紹介したDigitimesのサプライチェーン筋の情報を見る限り、Digitimesでは第1四半期の販売台数にiPad 3がカウントされないと考えているらしい。初代iPadは4月、iPad 2は3月に販売がスタートしているが、iPad 3もまたこのタイムラインにほぼ沿った形でのリリースとなりそうだ。