米Appleがサプライチェーンに対し、今年2011年第4四半期のiPadの発注数量を第3四半期比で25%ほど削減して伝えているという。米BloombergがJPMorganのアナリストのレポートの内容を引用して9月25日(現地時間)に報じている。第4四半期は通常、最も製品が売れる年末商戦にかかるタイミングなので、ここでの発注数量削減は驚くべき動きだ。だが一方で、これは年末から来年初頭にも発表が噂される「iPad 3」のローンチに向けた準備という見方もある。
Bloombergによれば、過去2週間にわたって複数のサプライチェーンがiPadの発注数量が削減されたことを伝えているという。それが具体的にどの企業かについてはレポートの中で明示されていないが、第3四半期時点で1,700万台だった発注数量が、第4四半期では1,300万台程度まで削減されているようだ。結果として、これらサプライチェーンのほか、組み立て工程を担当する台湾Hon Hai Precision Industry (Foxconn)の短期業績に影響を及ぼす可能性があることを示唆している。一方で今回のレポートを発表したJPMorganのアナリストMark Moskowitz氏は、Apple自身の同期のiPad出荷数量は1,090万~1,200万台という見通しを崩しておらず、売上減速などの要因によるものではないようだ。
JPMorganによれば、こうした発注数量の急減をAppleが行うのは初のケースで、その理由が気になるところだ。BloombergやJPMorganでは言及していないものの、今年末または来年初頭にかけて発表が噂される次世代モデルの「iPad 3」に向けて在庫調整をスタートする可能性があるとの噂がある。またこれが次世代モデル登場の前兆だとすると、iPad 3がiPad 2の市場の多くを置き換える性格の製品だと考えることができる。ただいずれにせよ、iPad 2が年末商戦の主力であることには相違ないようだ。