NTTドコモの次世代iPad/iPhone販売の話題が盛り上がったばかりだが、iPadに関する予測ではまた新たな話題が出てきている。とはいっても、それはiPad 2の後継にあたる「iPad 3」の話ではなく、"iPad 2そのもの"の行方だ。ある投資会社のアナリストは、iPad 3の発売後も「iPad 2の16GBをエントリーモデルとして継続販売」「プロセッサ等の改修を経てiPad 2Sのような製品としてリリース」という2つの可能性があると予測している。
この件を投資家向けレポートで紹介しているのはBarclays CapitalのアナリストBen Reitzes氏で、その内容のハイライトはApple Insiderで紹介されている。まだ出てもいない製品の発売と、現行製品のその後の行方について真剣に議論というのも妙な話だが、こうした話題が出てくる背景には「次世代のiPad 3 (仮称)はRetinaに匹敵する高解像度ディスプレイを採用する」など、初代iPadからiPad 2への変化に比べ、非常にラディカルな変更が加えられる可能性が指摘されているからだ。Apple Insiderによれば、この新製品はシャープのIGZOテクノロジーとよばれるものを採用する可能性があり、330dpiの解像度と広い視野角が特徴だという。一方で現在のAppleは当初のiPadが抱えていた「新規市場開拓」というミッションをほぼ達成しつつあり、アーリーアダプターを中心としたユーザーから、より広い市場を開拓すべく製品のバリエーションを確保する必要性に迫られている。
例えば同社はiPhone 4Sを発表した際、前世代のiPhone 4を100ドル未満のエントリーモデルとして残しただけでなく、iPhone 3GSを0円端末として販売することまで発表している。これも、エントリー層の開拓が重要だと認識しているからだろう。Reitzes氏が指摘するのもその点で、現行のiPad 2をそのような形でAppleが継続させる可能性があるという話だ。