ジャストシステムは、同社の日本語入力システムの最新バージョンとなる「ATOK 2012 for Windows」を2012年2月10日より発売。価格はベーシック版が8,400円、プレミアム版が12,600円となる。プレミアム版では、変換中の言葉からリアルタイム翻訳できる「8ヵ国語 Web 翻訳変換 for ATOK」やExcel内の単語やフレーズを変換候補として表示する「ATOK ダイレクト for Excel」など複数のツールや辞書が搭載する。対応OSは、Windows XP(SP3) / Vista(SP2) / 7、32/64ビットOSに対応する。

「ATOK 2012 for Windows [ベーシック]」

「ATOK 2012 for Windows [プレミアム]」

「ATOK 2012」では、推測変換エンジン「AS(Advanced Suggest)エンジン」が新たに搭載されている。通常の変換と同様に一般的な言葉やフレーズも"推測候補"として表示される。たとえば"うちゅうこ"と入力すると、"宇宙航空研究開発機構"が、"けいきど"と入力すると"景気動向"、"景気動向指数"が、"でじたるい"と入力すると"デジタル一眼レフカメラ"、"デジタル一眼レフ"と推測候補が表示される。また、確定した言葉に対して推測候補を表示させることも設定できる。

ATOKメニューの[確定直後の推測候補表示]をオンにしておくと、変換後にEnterキーを押して確定したあとにも、その後に続く推測候補を表示する。"海外"で確定した後に"旅行"や"出張"が、"オンライン"で確定した後に"ショップ"や"ゲーム"が推測候補として表示され、下矢印キーで選択することでこれを選べる。

推測には訂正候補も<<訂正>>の形で表示してくれるため、校正支援的な使いかたも可能になり、"たいどをに"まで入力すると"言葉を濁す<<訂正>>"、"態度をうやむやにする<<訂正>>"など、"しゅみれー"と入力すると"シミュレーション<<訂正>>"と誤りを事前に推測してくれる。

また、基本変換精度の向上が図られており、日常語彙から慣用表現、動詞などの基本的な語彙から「医学用語」や「時事用語」など時流にあった語彙を収録。文脈における単語の組み合わせ情報を大量のデータから統計的に取り込み、変換エンジンをチューニングするなども行っている。候補の表示にも改良が加えられており、従来、単語の長さごとに表示していた変換候補も頻度情報に基づき2つめ以降の並び順が調整されている。操作では、矢印キーを使った文節区切りの操作をスペースキーで「別文節区切り」として表示させることも可能になっている。

スペース後、「0」で別の文節区切りの変換候補を表示

2012年2月からは「ATOKキーワードExpress」が配信される予定で、大きなニュースや公開予定の映画タイトルなどを推測候補に追加できるようになる。なお、ベーシック/プレミアム版ともに「ATOK」30周年を記念した特典辞書が同梱される。日本全国の名産物の呼称を収録する「ご当地おみやげもの辞書」、英語表現も合わせて学べる「覚えて得する日→英ことわざ辞書」、「一発名前変換お名前辞書」が収録される。