今年の米国のクリスマス商戦でオンライン事業者の売上が絶好調という話が伝わっているが、既存のリアル店舗にとっては売上をさらに食われる可能性がある、ある意味でやっかいなサービスがAmazon.comから提供された。

米Amazon.comは12月6日(現地時間)、iOSならびにAndroidデバイス向けのアプリ「Price Check」の新バージョンの提供と、それに呼応したオンライン販売商品の割引きサービスを発表した。Price Checkとは、商品のバーコードをモバイルデバイスのカメラで読み取ることで、その商品のオンラインでの価格(この場合はAmazon.com)を調べることができるアプリだ。例えばリアル店舗の店頭などで気になった商品があった場合、このアプリを使うことでオンラインでの販売価格を調べることが可能になる。今回公開された新バージョンではさらに「Price Sharing with Us」という機能が追加されており、ユーザーが著名ストアの店頭などでバーコードをスキャンした商品の価格をAmazon.comに通知することができるようになっている。この店頭価格をユーザー間でシェアすることで、本当にどこでの買い物がお得かを比較してみようという仕掛けだ。

Price Checkの利用イメージ

さらに、この仕組みを利用して店頭でのバーコードスキャンと価格チェックを行ったユーザーに対して、Amazon.com内での指定カテゴリ内(電気製品、おもちゃ、楽曲、DVD、スポーツ用品など)の商品を最大3点まで5%割引き(最大5ドルまで)するという。つまり、最大で15ドルの割引きサービスというわけだ。もっとも、こうしたサービスを行うのはAmazon.comが価格に自信があるからであり、これを導線に多くのユーザーをオンラインショッピングに導こうという算段があるからだ。同社では「価格の透明性がお金の節約に最も有効」と、昨今の経済不況に訴えたメッセージまで添えている。

Price CheckアプリはiOS版がApp Storeで提供されているほか、Android版がAmazon App Storeで提供されている。Android Market経由での配布ではないため、導入を希望するユーザーはAmazon Mobile Shopping Appsのページからダウンロードのリンクをたどっていくといいだろう。

(提供:AndroWire編集部)

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