実際にWin用のソフトをMac上で動かしてみる

では、実際にWin用のソフトをMac上で操ってみよう。「Parallels Desktop 7」が初心者にも優しい理由のひとつとして、「Parallels Desktop 7」が起動している際にWin版のソフトウェアインストールディスクを光学ドライブに挿入すると、自動でインストールするOSを判別してくれることが挙げられる。ユーザーはMacだWinだとOSを気にすることなくパソコンを操ることができ、まさに「シームレス=繋ぎ目のない」操作感覚を実現してくれるのだ。

図27 筆者がWindowsマシンで原稿を執筆する際に利用している「一太郎2011 創」のインストールディスクを光学ドライブに挿入すると、自動でWinのダイアログが表示されるというシームレスさ。細かな配慮だが、こういったきめ細やかさが繋ぎ目の無さを醸成しているのは言うまでも無い

図28 インストーラもご覧のとおり。そのままWinマシンを使用しているかのような錯覚に陥るほど、違和感なくMacに溶け込んでいる

図29 そして注目してもらいたいのがこちら。「一太郎2011 創」がMac OS X Lionで実装されたフルスクリーン表示に対応しているのがおわかりいただけるだろうか。写真は敢えてわかりやすくメニューバーを表示させ、右端の表示切り替えアイコンを見せているが、まさにMacネイティブアプリと見紛うほど。フルスクリーン表示させる場合はメニューバーの[View]より[Enter Full Screen]を選択する、もしくは[Control+Command+F]キーで切り替えることが可能だ

「Parallels Desktop 7」では、数多あるWin版ソフトを自由自在に操れるのはもちろん、未だ未対応のMacネイティブアプリが多いフルスクリーン表示機能に対応したように表示することが可能だ。原稿執筆時点では「Parallels Desktop 7」のみで、ユニークかつ大きなストロングポイントと言えるだろう。

また、グラフィック性能の向上が図られているのも特徴のひとつ。Macユーザー同士での会話でよく聞くフレーズが「Macにはゲームが少ない。Winの豊富さがうらやましい」と言う声。筆者の周囲だけかも知れないのだが、事実、Macにはゲームが少ない。そこで、メジャーオンラインゲームのひとつ「FINAL FANTASY ?」のベンチマークソフトをダウンロードして筆者の環境下で試してみた。

図30 試したのは「FINAL FANTASY 3 Official Benchmark 3 Version 1.00」で、高解像度モードでのテストを行った。使用したマシンは2008年モデルのMacBook Pro(CPU2.8GHz Intel Core 2 Duo、メモリ4GB)。数値は平均して2000という結果だった

正直なところ、マシンがマシンなだけにパフォーマンスに不足があるのは言うまでも無い。しかし、オフィシャルWebサイトでは普通に遊べるレベルとのこと。たまに遊ぶ、といった使用シーンでは十分といえば十分、なのかもしれない。だが、今までMacというだけで指をくわえて見ているだけだったゲームの世界に浸れる優越感はどうだろう。流行のFPS(first person shooting)ゲームのような3Dでグリグリ動くゲームの多くは、Winのみでの展開だっただけに「Parallels Desktop 7」を導入することによって得られるメリットのひとつとして挙げることができるのではないだろうか。