KDDIは26日、携帯電話の秋冬モデルを発表。同時に新サービスや料金プランの新説も発表した。田中孝司社長は、「未来は、選べる」という新コンセプトを明らかにし、「欲しい未来を選べる自由」を提供していきたい考えだ。

KDDIの田中孝司社長

「ともコミ」でコミニュニケーションを自由に

2011年秋冬商戦向けにKDDIは、従来の「Android au」から「未来は、選べる」にコンセプトを置き換え、いくつかの提案を行っている。田中社長は、「音楽、映像、写真を自由に楽しみたい」「SNS、おしゃべり、コミニュニケーションを自由にしたい」「料金を気にせずに」という3点のポイントから説明していく。

コミニュニケーション系では、新たに料金プラン「プランZシンプル」を新設。ソフトバンクモバイルが提供する「ホワイトプラン」とほぼ同等の対抗プランで、深夜1~21時まで、au携帯電話への国内通話がすべて無料になり、au携帯へのCメールは24時間無料になる。2年間の契約が前提で、誰でも割に加入すると基本使用料は月額980円になる。

プランZシンプルの料金体系

au同士なら通話料が時間指定で定額になる

音声定額化による影響について田中社長は、すでに家族割引や指定通話割引といったサービスを提供していて、「かなり無料部分が進んできていた」ことから、収益への影響は限定的との見方だ。また、設備に関しては「余裕がある」とのことで、設備への影響はほとんどないという。

KDDIが昨年の秋に「禁断のアプリ」として提供したSkype auでは、Skype利用者同士の音声通話を無料化したが、「その時に、(通常の)通話も定額になるのではという夢があったと思う」と田中社長。それを実現したのがプランZシンプルで、「音声においても、もっとコミニュニケーションが楽しめる」ようにしたい考えだ。

パケット通信を使うSkypeアプリによってビデオ通話が行える。Skype auとは別アプリで、ダウンロードの導線をもうける

Skype auは、回線交換を使った高音質なSkype通話ができることが特徴だが、パケット網を使ったSkypeのビデオ通話との連携も行う。Skype auアプリから、通常のビデオ通話対応Skypeアプリへの導線をもうけ、2つのアプリインストールを促すやり方で、ビデオ通話はSkype、音声通話はSkype auと使い分ける形になる。もちろんアカウントは共有される。

2つのアプリが同時に起動する形になるが、まずはSkypeが着信して鳴動し、そこで受信操作をするとパケット網を使った通話になり、ビデオ通話の場合はここで受信する。その後数秒すると、Skype au側が着信状態になり、ここで受信操作をすると、回線交換を使った音声通話が行える。最初のSkype着信時に電話を受けず、Skype auへの着信になってしまうとビデオ通話はできないそうだ。

ビデオ通話は3Gでも無線LAN、WiMAXでも利用可能だが、回線速度に応じてビットレートなどが変動するそうだ。

通信方式のCDMA2000は、音声とパケット通信の同時利用ができないため、映像はパケット、音声は回線交換といった使い分けはできないが、今後アプリを統合して1つのアプリで提供できるようにはしていきたいという。