今回の東京ゲームショウ2011では大手ゲームメーカーの展示以外にも、スマートフォン向けの面白いアプリや周辺機器が出展されていた。記者もいくつか実際に試してみたので、それらを紹介してみよう。

心理状態を反映して動くネコ耳、その名も「necomimi」

neurowareの「necomimi」

非常に大きな注目を集めていたのが、neurowareが展示していた、脳波を測定して心の状態を「ネコ耳」の動きで表す、その名もズバリ「necomimi」。ヘッドホンのようになっているネコ耳を被り、おでこと耳たぶにセンサーを付ける。このセンサーが心理状態を感知してAndroidアプリに送信。アタマの上に付けたネコ耳が状況に応じてピコピコ動くというものだ。心がリラックスしているとネコ耳はくたっと寝た状態に、集中しているとピンと立ち上がる。集中とリラックスが同時に訪れると、耳が立ち上がってぴくぴくと動くのだ。

筆者が実際に装着して開発者の方に話を聞いていると、「仕事モード」ということでネコ耳がピンと立ち上がる。深呼吸して落ち着いてみると耳が寝る。そしてケラケラ笑ってみると、耳がぴくぴく動いて反応しているのが分かる。なるほど、確かに精神状態を反映して動いている様が面白い。このとき、脳波の状態はAndroidアプリの画面を見てモニターできる。

実際に「necomimi」を装着してみた筆者。あくまでも仕事として試しているのであって、決して個人的な趣味に没頭しているわけではない。耳がピンと立っているのがその証だ

この製品のコンセプトは新しい「人間の器官」であり、これを使ってコミュニケーションを取るための道具にしたいという。慣れるとある程度脳波の動きで耳をコントロールできるようになるそうだ。耳が動いていると理由もなく笑顔になってしまうという点では、良いコミュニケーションが取れそうだ。

発売は来年の春頃を予定しており、価格は未定だが決して手が出ないほど高くする予定はないとのこと。同社のWebサイトでは、坂本龍一氏がnecomimiを装着している動画なども見ることができる。

ARで表れる幽霊を撃ちまくれ! - 「appBlaster」

お次はウィズが出展していたiPhone/iPod touch用のガンコントローラー「appBlaster」。本体にiPhone、iPod touchを装着して遊ぶAR(拡張現実)シューティングゲーム「ゴーストキャッチャー」をプレイできる。トリガーは2つあり、2種類のビームを駆使してiPhoneに映し出されている風景の中に見える「幽霊」を捕まえていくというもの。ARを使ったゲームは他にもあるが、ちゃんとした専用コントローラーを用意しているものは筆者は初体験だ。

ウィズのiPhone/iPod touch用ガンコントローラー「appBlaster」

実際にiPhoneに映し出される幽霊を追いかけていくと、案外夢中になってしまう。このコントローラーに対応するゲームは他にも「ALIEN ATACK」というものがあり、こちらはAR環境に写し出される宇宙人を退治していくゲームだ。

写真では見えにくいかもしれないが、iPhoneの画面では、カメラで映している映している周囲の風景にARで「幽霊」が投写されている

ウィズのアプリとハードを組み合わせて遊ぶシリーズは「アプリズム」シリーズという名前で展開されている。リリース予定としては、カーレースゲーム用のハンドルコントローラー「appWheel」やiPhoneをコントローラーにしてヘリコプターを動かす「appCopter」(2011年9月下旬発売予定)、ラジコンバギーを走らせる「appRacer」(2011年11月発売予定)などがあるそうだ。

iPadがインベーダー筐体に早変わり - 「iNVADERCADE」

iNVADERCADE

最後は40台の男性にとっては「ロマン」かもしれない、スペースインベーダーの筐体「iNVADERCADE」。iPad用の「スペースインベーダーHD」をインストールしてセットすれば、レバーで自機を動かしビームボタンを押して侵略者を殲滅するなつかしのスペースインベーダーで遊ぶことができる。凝っているのはこの筐体、昔ゲームセンターに置いてあったものと同じデザインなのだ。大ヒットしたあの筐体を懐かしく覚えている人は少なくないだろう。

この製品、実は単なるゲームコントローラーではなく、iPadの充電ドックとしても利用可能。ステレオスピーカーと専用アンプを内蔵しているので、ゲームをしないときはiPad用のスピーカーとしても利用できる。発売するのがちゃんとタイトーなところも面白い。発売開始は10月11日、価格は15,800円と決して安くはないが、スピーカーと思えば悪くない。

もちろんサイズはオリジナルより小さいとはいえ、雰囲気・操作感も含めて再現性はかなりのものだ

実際にプレイしてみた感じは正にスペースインベーダー。左右レバーを使い、ボタンを押すだけのシンプルな作りだ。iPadのフル画面をあえて使わずデザインを統一しているところもなかなか凝っている。残念なのは、この筐体では「スペースインベーダーHD」しか遊べないところか……。この製品の凝りようを考えればそれも正しいのかもしれないが、タイトーはスペースインベーダーの進化形「SPACE INVADERS INFINITY GENE」などを発売している。オリジナルを再現した筐体で進化したスペースインベーダーを遊ぶというのも面白いのではないかと思う。

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この記事で紹介したアイテムはすべて、東京ゲームショウ2011のモバイル&ソーシャルゲームコーナーで体験できる。興味のある人は9月17日・18日の一般公開日に足を運んでみてはいかがだろうか。