最後に、完全に個人的なシュミでマンガの単行本を自炊してみた。間違えて買ってしまったまったく同じ単行本が2冊あったので(筆者は重複買いのミスをよくやる…)、そのうち1冊を使用する。単行本のサイズはB6で、解体する方法は色々あるが、ここでは裁断機ではなく原始的にカッターで切った。電子レンジでノリを溶かす方法は、なんだか怖いのでパス。表紙カバーを外し、外側の厚い表紙部分を強引(でも丁寧)に手ではがしてから、本編部分の"のりしろ"をカッターで2mmほど切って各ページを独立させる。切り終わったらページのくっつきがないかチェック。これが結構重要だ。ページ同士がくっついたままだと、紙詰まりや重送の原因になる。

表紙カバーは、折り目を丁寧に伸ばしてカラーでスキャン。imageFOMULAユーティリティーで長尺用紙の設定にすることで、無事にスキャンできた。長尺設定にしないと、スキャン可能な最大長は35.56cmまでとなり、今回の表紙カバーは37.8cmなのでアウト。

マンガ本編の部分は約200ページほどだ。1回で全部をスキャンするのは無理なので(DR-C125の最大給紙は30枚)、4回に分けてスキャン。あらかじめ、保存ファイル名の設定で連番を付けるようにしておくと、ページを確認しやすい。マンガ本編はグレースケールの200dpiでスキャンしたが、どうもシャープさに欠けるので300dpiで再スキャンした。

スキャン自体にかかった時間は約3分で、単行本の解体からスキャン終了までには1時間もかかっていない。単行本の解体スキルが上がったり、裁断機の使用、そしてスキャン操作に慣れれば、もっともっと短縮できそうだ。DR-C125の最大給紙が30枚なのは残念に思ったが、スキャンの高速性には舌を巻いた。これくらい速ければ、複数回の原稿セットもそれほど面倒には感じない。

ドキュメントスキャナをヘビーに使う人にもおすすめ

DR-C125の大きな魅力は、省スペース性と高速性だ。本体の高さはそれなりにあるが、設置と運用上の奥行きが短いので、家庭でもオフィスでも使いやすい。特にオフィスにおいて、奥行きが短くて済む便利さは、多くの人がイメージできるのではないだろうか。高速性については、スキャンそのものが速いだけでなく、透明テキスト付きPDFファイルで保存するときのOCR処理が速いのもポイントだ。付属アプリケーションも一通りそろっており、ドキュメントスキャナ本体とアプリケーションのパッケージとして非常に完成度が高い。

これまで、ややヘビーな使い方に耐える個人でも手が届く価格のドキュメントスキャナは、PFUのScanSnap S1500が定番中の定番だったが、DR-C125は強力な対抗馬となるだろう。大きな比較点としては、設置/運用スペース、ADFの給紙容量、価格、といったところか。高性能なドキュメントスキャナの導入を考えているなら、DR-C125はぜひ候補に入れておくべき製品だ。

製品名 ImageFOMULA DR-C125
イメージセンサー CIS
光学解像度 600dpi
ADF容量 約30枚
原稿サイズ W50.8~216mm、D70~356mm(ラウンド排紙)、D53.9~356mm(ストレート排紙)
読み取り面 片面/両面
読み取りスピード 50面/分(A4カラー両面、200dpi)
30面/分(A4カラー両面、300dpi)
インタフェース USB 2.0
ドライバ TWAIN、ISIS
本体サイズ 未使用時(用紙トレイ収納)W300×D156×H217mm、使用時(用紙トレイ全開)W300×D235×H336mm
重量 約2.6kg
対応OS Windows XP(SP3以降)/Vista(SP2以降)/7、Mac OS X 10.4~10.6(一部の付属ソフトと機能を除く)
店頭予想価格 44,980円