スペックを簡単にまとめると、イメージセンサは光学600dpiのCIS、出力解像度は150×150/200×200/300×300/400×400/600×600dpi、インタフェースはUSB 2.0だ。対応する原稿サイズはA4が基本で(長尺紙は最大3mまで対応)、キャッシュカードなどのプラスチックカードも読み取れる。ADFの給紙容量は30枚で、1パス両面スキャンが可能だ。本体サイズは未使用時(用紙トレイ収納)でW300×D156×H217mm、使用時(用紙トレイ全開)でW300×D235×H336mm、重量は約2.6kgとなる。設置スペース、運用スペースとも、A4用紙より一回りほど大きい場所があれば問題ない。

ボタン類は正面右側に集中。上が電源ボタン、下がスキャンを開始するスタートボタンだ。その下の丸いランプは、給紙切り替えレバーの状態を示す

給紙トレイ、給紙サポート、排紙補助プレートを開いた状態。背面の空間には少し余裕を持たせて設置しておきたい

スキャン原稿をセットした状態でCDケースと並べてみた。使用時の奥行きが短い点は嬉しいところ

本体右側(写真左)。上のスライドスイッチが給紙切り替えレバー。通常は下位置で使用し、非分離用紙などをスキャンする時は上に切り替える。下は排紙切り替えレバー。Uターン搬送とストレート搬送を切り替える。電源コネクタとUSB 2.0ポートもこちら側だ。ケーブル類は背面のスリットを通すように推奨されている(写真中央)。本体左面にはケンジントンスロット(写真右)

この省スペース性を実現しているのは、DR-C125の大きな特徴の1つ、紙送りシステムの「ラウンド・スキャン」だ。標準的なドキュメントスキャナは後面給紙/前面排紙の製品が多く、見た目の設置面積の小ささ以上に運用上の奥行きを取るものだった。しかし、DR-C125の場合、給紙から排紙トレイまでの経路が「U字パス」になっており、本体前面に排紙用の空間を確保する必要がない。実際に使ってみると、この省スペース性の恩恵は絶大だ。

150dpi~200dpiまでは流れるように進む。データサイズが大きくなる300dpi以上では若干の速度低下が見られる

厚紙や名刺、プラスチックカード類をスキャンする場合は、本体の右側にある給紙切り替えレバーでモードを切り替える。さらに排紙切り替えレバーを「ストレート搬送」に切り替え、紙送りをストレートパスに変更する。この状態では、本体前方に排紙スペースが必要だ。名刺などの小さい原稿は、給紙トレイの奥のほうにセットしなければならないため、給紙しにくく感じた。

名刺はADFの奥まった位置に給紙するので、少し給紙しにくく感じる

もう1つ、紙送り時の重送を防ぐリタードローラー機構にも触れておこう。重送とは、ADFから2枚以上の原稿が同時に紙送りされてしまうトラブルだ。データ化したときのページ抜けだけでなく、紙詰まりが発生したり、スキャナ本体の紙送り機構にもダメージを与える。

排紙ポケットを開いたところ。紙詰まりを起こした時はまずここを開いて用紙を取り出す

前ユニットを開いたところ。OPENボタンでロックを外してオープンする

左側が給紙ローラーで右側が分離ローラー。ローラーカバーの下の小さい穴が超音波センサー。消耗品の各ローラーはカバーを外して交換

DR-C125では、原稿を搬送する給紙ローラーと向かい合わせに、紙送りと逆方向の力を加えるリタードローラー(分離ローラー)を設けている。仮に重送されたとしても、リタードローラーが2枚目以降の原稿を分離し、1枚目の原稿だけを搬送する仕組みだ。さらに超音波センサーでも重送をチェックしており、原稿が重なっていた場合は用紙の搬送を止めてくれる。

紙送りのトラブルは長く使ってみないと分からない部分はあるが、少なくとも今回の試用中、重送されたことは1度もなかった(だいたい1,000枚ほどの原稿を搬送)。ちなみに、給紙ローラーとリタードローラーは消耗品で、約10万回のスキャンが交換タイミングだ。各ローラーの使用回数はカウントされており、交換タイミングが近づくとPCの画面上で交換が促される。