OS X Lionで登場したリカバリーモードには、他にもユニークな点がいくつかある。

まず1点は、無線LANアクセスポイント。リカバリーモードで起動すると、Lionの通常モードで使用していた無線LANアクセスポイントに自動接続されるのだ。筆者の場合、自宅アクセスポイントのSSIDは非公開なうえ、WPA2のパスワードを設定しているので、前回使用したアクセスポイントの情報がNVRAMに記録されていたものと推測される。

リカバリーモードで起動すると、通常モードで使用していた無線LANアクセスポイントへ自動的に接続された

もう1点は、完全にディスクレスかつワイヤレスでシステムの再インストールが可能なこと。前述したとおり、リカバリーモードで起動した直後に設定なしで無線LANを利用できるので、Appleが用意したクラウド上のインストールイメージへすぐにアクセスできることもポイントだ。

再インストールを選択すると、「適格性」が検証されたあとライセンスを確認する画面が表示され、クラウドからダウンロードが開始される

「Mac OS X Base System」にSafariが収録されている理由だが、それは再インストールなどシステムレスキューに必要なヘルプ情報を参照するためのようだ。「Mac OS X ユーティリティ」で「ヘルプ情報をオンラインで取得」を選択すると、最初にバンドル内部にある(オフラインで閲覧可能な)ドキュメントが表示されるが、インターネットに接続できる環境であれば、ごく当たり前のようにWebブラウジングできる。

リカバリーモードのSafariは、Flashのサイトを閲覧できないことなどいくつかの制限をのぞけば、ごく当たり前にWebブラウジングできる

これを逆手に取ると、リカバリーモードでMacをネットブック風に使うことすら可能だ。実際、ヤフー! のサイトにアクセスし、いつものアカウントでWebメールをチェックできた。ことえりでかな漢字変換ができない、プラグインの追加が必要なFlashは表示できない、といったことをのぞけば、ひとつの独立した環境だ。さすがに、Lionの再インストールをガマンしてこれを使い続けようとは思わないが……