L1 I-Cache周りでは最後にROB(Re-Order Buffer)のDepthをグラフ44~47に示す。まず一見して判るのは、やはりNanoのLatencyの大きさである。比較的HitしやすいForward(グラフ44)ですら、180cycle程度のLatencyとなっている。NanoにおけるROBのサイズは54程度で、これを外れるとL1/L2 Cacheへの書き出しが発生するため、次第にLatencyが増えてゆくのは正常だが、ROBにHitしていて180cycleというのはちょっと不思議である。ともあれ、Nanoは措いて置くとしてZacateとAtomを比較すると、Forward/Backwardではどちらも50cycle前後で処理できている。ただしZacateのROBは80命令前後のスロットを持つと思われ、一方Atomは46前後あたりからLatencyが増加している事を鑑みると50スロットはないと思われる。この若干のサイズの差が影響しているのか、Random/Pseudo-Randomでも全般的にZacateの方が少ないLatencyでROBの処理を終えているのはちょっと注目すべき点だろう。