一部サービスは使えないが従来の資産管理は可能

Microsoft Money Plus Sunset Deluxe日本語版では、従来のMicrosoft Moneyシリーズと同じく、金融機関や証券会社などで管理している資金や入出金の管理、人生で必要となる資金を俯瞰(ふかん)的に見るプランナー機能が使用可能だ。これらの機能はタブで区切られており、起動時に現れる<ホーム>タブでは、各情報のサマリーやショートカットリンクが用意されている。これらの項目は自由にカスタマイズできるため、参照頻度の高い情報に切り替えると利便性が高まるだろう(図13~14)。

図13 各情報のサマリーやショートカットリンクが並ぶ<ホーム>タブ

図14 掲載する情報は<コンテンツまたはレイアウトのユーザー設定>から変更可能だ

またサブ項目として<MSNマネー>および<ナビゲーションホーム>タブも設けられている。前者はMSNの一コンテンツであるMSNマネーの表示、後者はアクションに対する逆引きリンクの参照が可能。操作に不慣れな間は、このナビゲーション機能が役立つはずだ(図15~16)。

図15 サブ項目の<MSNマネー>タブでは、同サイトのコンテンツを表示できる

図16 同<ナビゲーションホーム>タブからは、目的に応じた逆引きリンクが用意されている

<資産と口座>タブは文字どおり、銀行や証券などの資産を管理することが可能。Microsoft Moneyシリーズを使用するメリットしてあげられるOFX(Open Financial Exchange:金融情報を交換するためのデータストリーム形式)のサポートである。Microsoftが2007年時点だが独自にまとめた情報をリンク先で確認すると、大手銀行や地方銀行はもちろん、一部の証券会社やクレジット会社がサポートされている。

前述したOFXは共通規格であり、Microsoft、Intuit、CheckFreeの3社で標準化された形式だ。そのため、Microsoft Moneyシリーズの終了を経ても、OFXをサポートするアプリケーションやオンラインソフトウェアは今でも存在するため、各企業が引き続きサポートする可能性は高いと言いたいが、今年に入ってから各ダウンロードサービスを廃止する企業もいくつか出てきているため、将来的にどうなるか断言するのは難しい。

また、Microsoft Money Plus Sunset Deluxe日本語版は、最終版であるMicrosoft Money Plus EditonからMSNマネーが提供するオンライン連動機能が使用できないため、各所で不便が生じている。例えば、オンラインバンキングからダウンロードした電子明細を取り込む際には、一部の情報を手動で入力しなければならない。今回使用した東京三菱UFJ銀行では、フリガナの入力などを求められたが、取引内容は問題なく自動取得できた(図17~20)。

図17 Microsoft Moneyをサポートするオンラインサービスにアクセスし、ダウンロードを実行する

図18 取り込み先の口座選択をうながされるので、任意の口座を選択する

図19 金融機関名の入力をうながされるので、適切な情報を入力する

図20 無事、オンラインバンキングのデータが読み込まれた

久しぶりに使ってみると、前述した残高照会サービスが終了しているため、Microsoft Moneyシリーズが持っていた優位性が乏しくなっていることをしみじみと感じさせる。同サービスの廃止により、今まで以上に初期設定が煩雑化しているため、初期設定はこれまでより億劫(おっくう)に感じられた。なお、サブ項目である<ローン情報><銀行情報>の各タブはMSNマネーのリニューアルに事実上使用することはできない。

<入出金予定>タブは、あらかじめ資金の入出や移動を登録することで、お金の流れを明示化するための設定が用意されている。例えば賃貸住宅にお住まいの場合は、家賃や更新時の諸経費などを登録しておくことで、その月に必要な資金額を把握できるため、あらかじめ無駄遣いを控えるといったことも可能だ(図21~22)。

図21 資金の入出や移動を管理する<入出金予定>タブ

図22 予定を登録することで、全体的なお金の流れを把握しやすくなる