Androidの進化でUIが強化

Timescapeと同様にXperia X10に搭載されていたMediascapeはXperia arcでは非採用となった。代わりに公式ウィジェットとして音楽、画像のウィジェットなどが追加された「メディアペイン」を用意し、ウィジェットでMediascapeの機能を実現した。「一番素早くメディアにアクセスできる導線」というのがこのウィジェットで、ホーム画面からすぐにメディアにアクセスすることができる。

Mediascapeに代わりホーム画面のウィジェットでメディアに簡単にアクセスできるようにした

メディアペインの音楽ウィジェットの操作。ウィジェットから再生、停止などの操作が可能で、ジャケット画像をタッチするとメディア画面に移動。プレイリストも作成できる

この新機能を実現したのがAndroid OSの機能強化だ。Xperia arcが搭載するAndroid 2.3(Gingerbread)では、音楽ウィジェットで再生ボタンを押すと再生時間にあわせてバー表示が動いたり、タイル上に並んだウィジェットの画像が指でスクロールできたりと、「工夫次第でいろんなことがしやすくなった」のだという。

メディアペインのフォトウィジェット。指でフリックすると画像が回転し、好きな画像をタッチするとその画像が拡大表示される

こうしたAndroid OS自体の機能強化によって、「一から十までメーカーが開発しなくてすむようになった」と黒住氏は説明する。「Androidはバージョンが上がるたびに、できるだけアプリとプラットフォームを分ける方向に進んでいる」そうで、土台部分のOSが担当している部分が増え、同じ機能を実現するためにメーカーで必要な作業が減っているそうだ。これによってリソースを別の機能の開発に振り分けたり、開発期間が短縮できたりといったメリットもあり、メーカーの独自色を出すことにさらに時間を割けるようになったようだ。ホーム画面でピンチインするとホーム画面のすべてのウィジェットが一覧表示されたり、アプリ一覧でインストール順やアルファベット順の並び替えができたり、iOS風にホーム画面のアプリショートカット同士をドラッグ&ドロップで重ね合わせるとフォルダ作成ができたり、独自のUIが追加されている。

ピンチインしたときに表示されるウィジェット一覧。複数の画面にわたって設置されているウィジェットを1画面に表示してくれる

黒住氏は、Android 2.3(Gingerbread)をXperia arcに採用したことで、「他社に抜きんでている状態になった」と強調する。Xperia X10の時点では初めてのAndroidということで、ソニー・エリクソンの独自性は模索段階にあったが、Xperia arcでは「歯車が合っている感じがする」と自信を見せている。