iPhoneアプリはこれまでにもカメラを利用するものが多数あったが、iPod touchではこれまで利用できなかった。それが今回、iPod touchでの利用の道が開けたことになる。もちろん、これまで販売されてきたアプリの全てが第4世代iPod touchに対応するというわけではないが、App Storeの更新具合をみるに、アプリのバージョンアップによって対応しているものが少なからずある。

ただこの解像度では、いわゆる多機能カメラアプリの類など、純然たるカメラアプリを利用するには少々厳しい。ではどんなアプリが適しているかというと、カメラシミュレーションアプリやフィルムシミュレーションアプリといったあたりが思い当たる。これらは多少解像度が低くても絵になる写真がつくれるし、なにより違和感がない。アプリの数も豊富で、無料アプリも多くあるので、まずはそういったアプリを使ってみるのがよいだろう。

トイカメラシミュレータアプリ「Hipstamatic」(230円)を利用してみた。このアプリは、レンズやフィルムなどを組み合わせて、トイカメラをシミュレートできる

規則性のある図柄は解像度が低くても読み取りやすいので、QRコードリーダーアプリなども重宝するだろう。ただし、iPod touchではWi-Fi環境がないとオンラインサイトにアクセスできない。オンラインサービス系のQRコードは、外出先などでは撮りためておき、Wi-Fi環境下で改めて読み込むといったことが必要だ。

ビジネス用途では、名刺リーダーや、ドキュメントリーダーなどのアプリがオススメ。もともと、iPhoneをビジネスに活用するためのアプリは多数あり、それらをiPod touchで利用していた人は少なくないはずだ。そういうアプリによくある写真メモ機能などはこれまでiPod touchでは活用できなかったが、今後はそういった不満が解消される。

iPhone 4との相違点として、第4世代iPod touchではHDR撮影機能に対応していない点がある。それでも、「Pro HDR」(230円)のようなアプリを利用すれば、iPod touchでもHDR撮影が可能だ

豊富な補正機能を搭載するドキュメントスキャナアプリ「DocScanner」(700円)。スキャンしたデータは、カメラロールに保存するほかメール送信も可能

名刺の写真とともに情報を管理できる名刺管理アプリ「i名刺管理」(230円)。検索性が高く、入力した情報を基に検索できるほか、任意に設定したタグによって絞り込むことができる

また、iPod touchには、iPhone 4にも搭載されているビデオ通話機能「FaceTime」(フェイスタイム)が搭載されている。FaceTimeは、無線LAN通信を利用してビデオ通話を行うもので、iPod touch同士だけでなくiPhone 4との通話も可能だ。

この機能を使用するには、「FaceTime」アプリで、個体番号の登録(Apple IDとパスワード、メールアドレス)を行い、連絡先などから通話したい相手のアドレスを開いて「FaceTime」をタップするだけ。相手が受信すれば電話のように利用できる。現在のところ、新型iPod touchとiPhone 4しか対応していないが、MacのiSightやPCのWebカメラとも通信できるようになるともっと活用の幅が広がるだろう。今後に期待したいところだ。