Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは9月14日、PXIおよびAXIe規格に準拠した製品として46機種を投入し、モジュール型計測器分野へ事業拡大を図ることを発表した。

これにより、先端測定ソフトウェアや各種ハードウェアを含む、計測分野における同社のコア技術がモジュール型計測器分野でも提供されるようになり、同社ではアナログ、デジタル、高周波、光測定分野において、これまで実現できなかったような測定を可能にしていくことを目指すとしている。

今回のPXI/AXIeラインアップ46製品には、デジタイザ、任意波形発生器、デジタイジング・オシロスコープ、デジタル・マルチメータ(DMM)、各種スイッチなどが用意されている。モジュール製品には、IVI-C、IVI-COM、LabVIEWなどのさまざまなドライバや、各種ソフトウェアに対応するI/Oライブラリが付属しており、いずれも、高性能、高速、大容量を必要とするアプリケーションに対応することが可能だ。

今回発表された各種モジュール製品

例えば、マイクロ波ベクトル・シグナル・アナライザ(VSA)「Agilent M9392A」は、多機能な変調解析ソフトウェア「Agilent 89600 VSAソフトウェア」と組み合わせて使用される。この組み合わせにより、最大26.5GHzまでのRF信号の詳細な解析が可能となるほか、業界最大級となる250MHzの解析帯域幅を実現しているため、次世代ワイヤレス・システムの解析にも対応することができる。

また、18スロットPXIeシャーシ「M9018A PXIeシャーシ」は、18スロット中16スロットが、PXIモジュールとPXIeモジュールの両方に対応するハイブリッド・スロットとなっている。モジュールごとに最大4GB/秒の専用帯域幅、最大8GB/秒のシステム帯域幅を有しているため、モジュール間やモジュール-コントローラ間で広帯域が必要となる通信、画像、レーダといった大容量測定データを扱う計測アプリケーションにも対応することが可能となっている。

さらに、同社初となるAXIeシャーシ2製品として、2スロット(高さ2U)モデルの「M9502A」と5スロット(高さ4U)モデルの「M9505A」も投入される。2製品とも、電力、冷却システム、タイミング・システムなどのAXIeの利点を、マルチベンダ・システムで使用できるプラットフォームとなっており、大型のボードサイズのAXIeを採用したことで、省ラックスペースながら高性能なシステムを実現することができるという。加えて、同シャーシに搭載できる測定モジュール「Agilent U4301A PCIe Gen 3アナライザ」は、数Gビットの信号の捕捉やプロトコル解析を行うことが可能だ。

同社では、航空宇宙・防衛、通信、エレクトロニクス分野の先端研究、開発、設計、製造、システム構築部門などを主な市場としており、こうした分野に各種製品の販売を積極的に行っていくとしている。