Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは9月2日に東京で記者会見を開催し、米国の分析機器ベンダVarianの買収を完了したことに伴い、同社の日本法人であるバリアン・テクノロジーズ・ジャパン・リミテッドを2010年11月1日付けでアジレント・テクノロジーに統合すると発表した。

Agilent Technologiesの社長兼最高経営責任者(CEO)を務めるBill Sullivan氏

アジレント・テクノロジーの年間売上高は447億円、従業員数は約1,000名、バリアン・テクノロジーズ・ジャパン・リミテッドの年間売上高は44億円、従業員数は約70名である。

バリアン・テクノロジーズ・ジャパン・リミテッド(バリアン)の事業は、アジレント・テクノロジー(アジレント)のライフサイエンス部門と化学分析部門に吸収される。製品のサポートは、アジレントが継続する。ライフサイエンス部門はX線分光装置、核磁気共鳴(NMR)装置、磁気共鳴映像(MRI)装置、液体クロマトグラフ(GC)装置、液体クロマトグラフ質量分析(LC/MS)装置を扱う。化学分析部門は原子分光装置や分子分光装置、真空装置などを取り扱う。バリアンの東京本社はアジレントの営業拠点として活用する。バリアンの大阪営業所は閉鎖し、アジレントの大阪オフィスに吸収される。

なおAgilent Technologiesの年間売上高は45億ドル(2009年10月期)、Varianの年間売上高は8億ドル(2009年9月期)である。

記者会見でAgilent Technologiesの社長兼最高経営責任者(CEO)をつとめるBill Sullivan氏は、「化学分析分野の世界市場規模が90億ドルであるのに対し、Agilentの2010年10月期における化学分析部門の売上高見通しは12億ドル。ライフサイエンス分野の世界市場規模は180億ドルであるのに対し、Agilentの2010年10月期におけるライフサイエンス部門の売上高見通しは15億ドル。いずれの分野もシェアを伸ばす余地は十分にある」と語っていた。なお、残る電子計測部門の売上高見通しは27億ドルである。